日本パレット協会はこのほど、APSF (アジアパレットシステム連盟)加盟10ヵ国がまとめたパレット生産状況に基づき、アジア各国のパレット生産量と標準化進展動向をまとめた。
それによると、資料のないインドとパレット生産のないミャンマーを除く8ヵ国(中国、インドネシア、日本、韓国、マレーシア、フィリピン、タイ、ベトナム)合計で、昨年度は5億2,955.1万枚のパレットが生産され、その87%を日中韓が占めた。生産数は3億7,000万枚の中国が最多で、続いて日本(6,060万枚)、韓国(3,254.9万枚)だった。
人口比では韓国が1人当たり年間0.63枚と最も多く、続く2位以下は日本(0.48枚)、マレーシア(0.35枚)、中国(0.26枚)となった。東南アジア各国は人口比(一人当たり枚数)で見た生産枚数の格差が大きく、前出のマレーシアやタイ(0.23枚)に対し、インドネシア(0.11枚)、フィリピン(0.07枚)、ベトナム(0.02枚)は、9~50人に1枚であり、物流でのパレット利用の拡大余地が大きいことが伺える。
次に標準パレットの生産比率を見てみる。APSFでは2007年以降、アジアでの標準パレットを1100×1100㎜(11型)、1200×1000㎜(12型)に定めているが、その効果もありパレット生産数の少ない東南アジア各国でも、11型と12型の標準パレット比率が、日本(32%)、中国(52%)と比較して、タイ(97%)、ベトナム(72%)、フィリピン(60%)、インドネシア(58%)、マレーシア(56%)と高かった。東南アジアでは、パレットの本格普及前にパレット標準化が進んでいることが分かる。
日本では現在、物流2024年問題への対策の一つとして、官民連携でパレットの標準化を進めているが、今後の拡大が見込まれるアジア各国との輸送でも、パレット標準化の重要性が示された。
株式会社 紙業タイムス社 「Future10/23号」より