世界の板紙需要は、沈滞気味か下降線をたどるその他の紙パルプ分野と比較しても良好に推移しており、過去10年でみると年平均2-3%のペースで着実に数字を伸ばしてきている。世界需要が安定した伸びをみせている中、中国の板紙産業による生産はこの10年これまで経験したことのない飛躍的な発展を遂げた。爆発的な増産体制強化がこれまで抱えてきた板紙での貿易赤字を反転させ、2014年には1百万トン超の輸出超過の結果につながった。中国にとって極めて重要な向け先であるアジア市場、アフリカ市場、中近東市場への輸出の伸びは、北米や西ヨーロッパの競合国の板紙輸出へ大きな打撃を与えることとなった。2002年から始まった驚異的な増産体制強化によって、世界の板紙市場で中国は主役の座を得た。また、国内需要も極めて堅調で、2002年~2014年の年平均成長率は9%となっているものの、生産能力は12%増であるため供給過剰の問題もはらんでいる。
1月7日付RISIから抜粋
出典:日本紙類輸出組合・日本紙類輸入組合 ペーパー・トレード ブログ