日本製紙が㈱リプロ、萩原工業と共同で取り組む「PakUpcycle」(パックアップサイクル)事業から生まれた「ポリアル含有杭」が、静岡県富士宮市の富士森林組合で約4,000本採用された。
3社が取り組む「PakUpcycle」は、廃棄物処理されていた飲料用紙パックを再利用して新たな加工を施し、製品化する事業。具体的には、飲料用アルミ付紙パックのリサイクル工程で発生するポリアル(ポリエチレンとアルミニウムの混合物)の用途開発を行っており、その製品化第1弾として、ポリアルを原料に配合した境界杭(ポリアル含有杭)を開発した。富士森林組合は、このPakUpcycleのコンセプトにも共感を示し、ポリアル含有杭の採用を決定した。
富士森林組合で使用する境界杭は、国土交通省が進める地籍調査事業に基づいた境界画定業務に使用するため耐久性が求められるが、ポリアル含有杭は、リプロのノウハウと高い技術力により、地籍調査事業で標準規格として認められているJISK6932の仕様を満たし、また、技術的に再利用が難しいとされてきたポリアルの配合を実現した。日本製紙は、今後もポリアルの用途探索を推進し、飲料用アルミ付紙パックの再生利用を拡大していく方針。
サステナビリティ調査でゴールド評価を獲得
日本製紙は、EcoVadis社(フランス)のサステナビリティ調査で、「ゴールド」の評価を獲得した。
EcoVadis社は、約160ヵ国、200業種のバイヤーとサプライヤーが登録する情報共有プラットフォームを通じて、サプライヤーのサステナビリティ評価をバイヤーに提供する機関。「環境」、「労働と人権」、「倫理」、「持続可能な調達」の4つの調査項目により企業のサステナビリティを評価している。日本製紙は、全評価対象企業の上位5%に入るゴールド評価を受けた。
同調査では、プラチナが上位1%以内、ゴールドが上位5%以内、シルバーが上位25%以内、ブロンズが上位50%以内となっている。
株式会社 紙業タイムス社 「Future8/23号」より