特種東海製紙は、11月1日出荷分からファンシーペーパーを10~15%値上げする。対象製品については販売店から案内する。
同社は、特殊印刷用紙(ファンシーペーパーおよび高級印刷用紙)の需要減少に伴う収益悪化や、原燃料高、円安を背景に高級印刷用紙、情報用紙、機能紙などの価格改定を行ってきた。しかしファンシーペーパー(一部除く)については、販売減を回避するため政策的に価格を据え置いていた。
一方で、コスト削減のため特殊印刷用紙の品種削減を実施すると同時に、岐阜工場の閉鎖と特殊紙の生産集約を決定、生産体制の再構築を進めている。しかしながら、ファンシーペーパーの製造変動費は1年半以上も高止まりし、今後も原燃料コストの縮小は見込みにくい。また、物流コストも上昇傾向にあることから、ファンシーペーパーを値上げせざるを得ないと判断した。
FPの3銘柄を生産終了
特種東海製紙は、あわせてファンシーペーパー3銘柄の生産終了を発表した。対象製品は『江戸小染うろこ』『江戸小染かすみ』『こざと』で、現在庫限りの販売となる。
『江戸小染』は、江戸小紋の色と柄をモチーフに、ニュアンスに富む連続模様を表現したシリーズ。『こざと』はブレンド品の定番で、和風デザインに適した色展開のファンシーペーパー。
株式会社 紙業タイムス社 「Future9/25号」より