日本製紙連合会が集計した需給速報によると、4月の紙・板紙国内出荷は前年同月比+2.7%の225.7万t。内訳は紙が+0.7%129.6万t、板紙が+5.5%の96.2万t。紙・板紙合計と紙のプラスは5ヵ月、板紙は6ヵ月連続となる。数量的には引き続き低調で、前々年同月比で見れば紙・板紙が▲11.0%、紙が▲14.7%、板紙が▲5.3%だが、板紙を中心に緩やかな回復基調は継続している。
4月のメーカー輸出は、紙・板紙合計で前年同月比2.9倍の11.4万t。うち紙は3倍の10.7万t、板紙は2倍の0.8万t。紙・板紙と紙のプラスは8ヵ月、板紙は6ヵ月連続である。輸出先としては中国、韓国などのアジア諸国とオーストラリアが中心。紙の輸出は2ヵ月連続で過去最高を更新している。
国内出荷の回復と旺盛な輸出により、4月の紙・板紙生産は前年同月比+6.0%の237.1万t。うち紙は+6.0%の140.2万t、板紙は+5.9%の96.9万tだった。また月末在庫は紙・板紙合計で前月末比▲1.8万tの183.8万t(紙で▲1.9万t、板紙で+0.1万t)。紙は3ヵ月連続で減少しているが、板紙は3ヵ月ぶりに増加した。
主要品種の動向は次の通り。
〔印刷・情報用紙〕国内出荷は前年同月比▲0.2%の74.0万t。ほとんど横バイだが、輸入の増加などもあり5ヵ月ぶりのマイナスとなった。前々年同月比では▲20.3%。他方、メーカー輸出は3.3倍の9.7万t。塗工紙を中心に9ヵ月連続のプラスであり、うち4ヵ月連続で過去最高を更新している。
〔板紙・包装用紙〕包装用紙の国内出荷は+20.7%の7.2万t、前月に引き続き化学、合成樹脂といった需要分野の回復により大幅な伸びを記録した。他方、段ボール原紙と白板紙は天候不順の影響などもあって、回復のペースがスローダウン(段ボール原紙が+5.3%の77.0万t、白板紙が+3.3%の12.5万t)している。前々年同月との対比では包装用紙が▲11.6%、段ボール原紙が▲4.2%、白板紙が▲6.7%と依然マイナス基調である。
株式会社 紙業タイムス社 「Future 6/14号」より