大日本印刷はこのほど、お菓子や食品、日用品などの商品パッケージ（外箱など）に、自分の好きな写真や文字をその場で印刷できる自動販売機『Prio（プリオ）』を開発した。同社では店舗、観光地、アミューズメント施設の土産物売り場などへの設置を想定し、菓子、食品、飲料、日用品業界に向けて2015年4月から販売を開始する。

　商品パッケージにお気に入りの写真やイラスト、メッセージなどを個別に印刷するオンデマンドプリントサービスは、消費者にとっては“自分だけ”のオリジナル性が高められてプレミアム感が増し、また導入する企業側にとっては他社商品と差別化できることから、ニーズが増えている。ただ、webサイトで注文してから受け取るまでに日数がかかることや、送料の負担などが課題となっていた。

　同社が開発した自動販売機『Prio』では、スマートフォンなどで撮影した写真、イラスト、手書きのメッセージなどをデザインの一部として商品パッケージに印刷でき、その場で完成品を購入できる。また、企業側が用意した画像素材（スタンプ）などと組み合わせることも可能で、日付やメッセージを添えた贈り物、イベントや観光名所の記念など、利用シーンに合わせたパッケージが作成できる。スタンプは、商品のロゴやキャラクター、風景やイラストなど、導入企業のニーズに合わせてカスタマイズして提供する。

　また、商品パッケージの印刷から加工、完成までに要する時間も、1個当たりわずか15秒程度と非常に短いことも特長。一定の日数を要する従来のwebサイトからの注文と異なり、その場ですぐに商品を受け取れる。あらかじめ用意された画像から背景にしたい画像を選び、写真の人物などを切り抜いて背景と合成して印刷することも可能。商品のキャラクターのほか、観光名所や乗り物などの画像を背景にすることで、エンターテインメント性も演出できる。言語も多言語対応が可能で、英語のほか、その他の言語もオプションで追加できる。1台500万円～。

　同社では今後、店舗や工場を持つ菓子・食品・日用品などのメーカーや流通に向けて『Prio』を販売し、関連製品を含めて今後3年間で10億円の売上げを目指す。

 

株式会社　紙業タイムス社　「Future10/27号」より