日本印刷産業連合会（＝日印産連）はこのほど、製紙各社による印刷用紙値上げに反対を表明、傘下10団体と連名で、日本製紙連合会宛に「値上げ反対」の表明文を提出した。

　本誌でも既報の通り、昨年12月から1月にかけて、製紙各社が印刷用紙などの値上げを相次いで発表している。上げ幅は概ね10％以上で、時期は1月または2月出荷分から。円安の進行によって原燃料価格が高騰したことが値上げの理由だが、印刷用紙は印刷会社の原材料の中でも最も大きな割合を占める材料であり、日印産連は、「印刷用紙価格の引き上げは印刷会社の経営に大きく影響を与えることが必至」として、反対を表明したもの。日印産連が製紙連に提出した文書の概要は次の通り。

【値上げ反対表明の概要】印刷出荷額は1991年をピークに下がり続けている。その背景には出版市場の減速、印刷媒体からネットや電子媒体への急速な移行などがあり、特に情報コミュニケーション分野の印刷媒体の市場規模の縮小は極めて深刻。そうした中、印刷各社は、さらに高品質で低コストな印刷媒体を顧客に提供するとともに、社会から求められる環境への配慮や情報セキュリティへの取組みをより高いレベルで進めている。

　製紙各社による印刷用紙値上げ要請は、こうした個々の印刷企業の努力を根底から覆すと同時に、印刷企業の経営を極度に圧迫し危機的な状況を招く。8,000社以上の会員を抱える業界団体としては到底容認できず、断固反対を表明する。併せて製紙業界と印刷産業界は両輪の関係にあることをしっかりと銘記し、困難な状況に面しても今後ますます共通の認識と相互理解をもって対処していくことを切に要望する。

 

株式会社　紙業タイムス社　「Future2/2号」より