＝紙パの第3四半期＝

　前号で紹介した3月決算企業の第2四半期業績に続き、12月決算の紙加工企業の2018年12月期第3四半期業績（18年1～9月）を紹介する。以下、連結ベース、単位100万円、（　）内は対前年同期増減率、〈　〉内は前年同期の実績値。

●コクヨ

〔第3四半期〕

　売上高 235,994 （＋0.4％）

　営業益 15,558 （＋7.5％）

　経常益 16,240 （＋3.7％）

　当期益 12,324 （△0.6％）

〔通期予想〕

　売上高 318,000 （＋0.8％）

　営業益 18,000 （＋2.3％）

　経常益 18,100 （△5.4％）

　当期益 13,800 （△8.0％）

　売上高は、ストア事業の譲渡に伴う売上減やステーショナリー関連事業の減収があったものの、オフィス家具販売の好調により微増となった。売上総利益は、利益率にこだわった施策により前年同期比＋2.8％、また売上総利益率は0.9ポイント向上の36.4％。一方、販管費は同＋1.8％と増加し、売上高販管費率は29.8％となった。

○ステーショナリー関連事業…売上高は前年同期比△1.9％、営業利益は同△6.2％。海外事業は堅調だったが、国内事業の需要冷え込みと新製品不振により減収減益。

○ファニチャー関連事業…オフィス家具販売が好調に推移し売上高は前年同期比＋2.4％。営業利益は、増収に加えてコストダウンの推進、商品ミックスの改善により同＋26.6％。

○通販・小売関連事業…カウネットの顧客数が伸び悩んだほか、アクタスが一部店舗で改装のための閉店期間があり、売上高は前年同期比△0.2％。営業利益は物流費増などにより同△10.0％。

●ザ・パック

〔第3四半期〕

　売上高 63,388 （＋1.9％）

　営業益 3,978 （△10.3％）

　経常益 4,173 （△10.3％）

　当期益 2,803 （△9.4％）

〔通期予想〕

　売上高 94,000 （＋4.1％）

　営業益 7,400 （＋1.7％）

　経常益 7,700 （＋1.5％）

　当期益 5,400 （＋3.6％）

○紙加工品事業…売上高は前年同期比＋2.7％、営業利益は同△6.4％。主力の紙袋の売上高は、国内専門店向けが低調で同△1.2％。紙器は食品用パッケージやｅコマース市場向けが好調だったほか、新規子会社のカンナル印刷の売上が寄与し、売上高は同＋9.3％。段ボールの売上高も、メーカーやｅコマース市場向けが堅調で同＋5.3％。印刷は同△2.1％。

○化成品事業…売上高は前年同期比＋0.0％、営業利益は原材料の高騰や減価償却の増加などにより、同△29.5％。

○その他…売上高は前年同期比＋1.3％、営業利益は同△1.2％。

●ダイナパック

〔第3四半期〕

　売上高 38,443 （＋6.2％）

　営業益 △531 〈406〉

　経常益 △206 〈703〉

　当期益 371 （△72.8％）

〔通期予想〕

　売上高 52,400 （＋5.3％）

　営業益 △460 〈304〉

　経常益 △120 〈654〉

　当期益 430 （△65.5％）

　国内販売量は、ケースは堅調に推移したがシートの減少により前年同期並み。収益面は、段原紙価格の大幅上昇を受けて製品価格の改定に取り組んだが、原紙価格上昇の負担が先行したことに加え、重油などエネルギーコストや運送コストの上昇により減益となった。海外事業は、中国は引き続き堅調に推移し、ベトナムは昨年から上昇した段ボール原紙価格が依然強含みに推移しているが、製品価格の改定が寄与し収益面は回復傾向にある。セグメント別の業績は、包装材関連事業は売上高が前年同期比＋5.4％、セグメント損益が△518百万円、不動産賃貸事業は売上高が前年同期比△0.5％、セグメント利益が同△0.9％。

　通期予想は、8月発表の前回予想を下方修正した。修正額（単位100万円）は、売上高△100、営業益△400、経常益△350、当期益△250。7月にグループ化した旭段ボールおよび10月に公表したGrand Fortune Corporation Sdn.Bhd.（マレーシア）の株式取得に伴うM&A費用約2億円の計上や、物流コスト、燃料費の増加により、営業・経常益が当初予想を下回る見通し。

 

株式会社　紙業タイムス社　「Future１２/２４号」より