丸紅は7月1日、再生可能エネルギーを売買するためのオークションプラットフォームを開発するWePower UAB社 (=WePower社)と、普通株転換権付融資拠出に関わる契約書を締結した。
WePower社は、2017年にリトアニアで設立されたスタートアップ企業。ブロックチェーン技術を活用し、再生可能エネルギーの調達を望む法人消費顧客と、再生可能エネルギー発電事業者をオークション形式でマッチングすることにより、電力売買契約の締結を簡便化できるプラットフォームを開発している。電力売買契約は現在、契約締結までに多くの手続きが必要なため、長い時間と弁護士費用などがかかるが、このプラットフォームにより、法人消費顧客は電力消費量の多寡に関わらず、短期間で安価な再生可能エネルギーを調達でき、また、需要変動時には購入した余剰分を売却するなど、より柔軟な電力調達が可能になる。一方、発電事業者にとっては、期限終了の動きが進んでいる固定価格買取制度などに代わる、安定的な収入確保の道となる。
WePower社は現在、再生可能エネルギー案件の開発が多数見込まれる豪州での事業化に注力しているが、今後は豪州以外へのビジネス拡大も検討している。丸紅は、世界各国に有する発電事業や電力小売事業、電力市場に関する知見を活用し、WePower社の世界展開を後押ししていく。
近年は電力業界でも、WePower社のようなスタートアップ企業が登場し、革新的なサービスを創出している。丸紅は、「今後もスタートアップ企業との連携を積極的に検討し、既存の枠組みを超えて社会課題の解決につながる新たな価値創造を目指す」としている。
【WePower社】▽設立:2017年▽代表者:Nikolaj Martyniuk▽所在地:リトアニア・ヴィリニュス▽事業内容:再生可能エネルギー売買のオークションプラットフォームの開発・運営▽URL https://wepower.network/
株式会社 紙業タイムス社 「Future7/22号」より