コクヨのリサーチ&デザインラボ「ヨコク研究所」はこのほど、『YOKOKU Field Notes』から、第1号となる書籍『台湾:編みなおされるルーツ』を発刊した。
『YOKOKU Field Notes』は、コクヨが目指す「自律協働社会」のあり方を、地域の個別の事例から模索する、ヨコク研究所の調査レポート。その第1弾となる本書では、外来文化に翻弄されてきた複雑な歴史を持つ台湾で、人々がともに生きるための拠り所となる「ルーツ」を切り口に、5つの事例①「老朽化した台北の巨大団地街一体に根付き、受け継がれる福祉活動の現場」、②「花蓮の東海岸を舞台に“魚育”から台湾の海洋食・漁業に光を当てる〈FISH BAR〉」、③「教師、親、生徒という立場が流動する、原住民語のみの実験学校」、④「アミ族の規範と青年同士の協働のあわいで催される音楽フェスティバル」、⑤「バンド活動の傍ら農家として地元・旗山のバナナ産業に根ざす〈Youth Banana〉」を巡る。
ルーツの再構築というテーマはもちろん、複雑な歴史と多様な民族・文化を内包する台湾の実情が分かり、その意味でも興味深い一冊となっている。B5判120頁、1,200円(税別)。全国の独立系書店やAmzon.co.jpなどで発売中。
株式会社 紙業タイムス社 「Future10/9号」より