日本紙パルプ商事(=JP)、東京システムハウス(=TSH)、JPとTSHが共同で設立したアライズイノベーションの3社は、超高速開発ツール『Wagby(ワグビー)』を製造・販売する㈱ジャスミンソフトの既存株式の一部を取得し、ジャスミンソフトが実施する第三者割当増資を引き受ける。新株発行は1月中旬で、第三者割当増資後の持ち株比率はJP38.1%、贄良則氏(ジャスミンソフト社長)36.5%、TSH12.7%、アライズイノベーション12.7%となる。
また、アライズイノベーションとTSHはジャスミンソフトと業務提携し、『Wagby』事業での連携を強化する。『Wagby』は、プログラミングなしで設計情報から業務ルール、画面、データベーススキーマなどを自動生成できる超高速開発ツール。
JPは、2016年6月にTSHと共同でアライズイノベーションを設立、ICTビジネス事業の強化を進めている。アライズイノベーションは、企業向けのAIサービス、超高速開発、クラウドサービスを中心に事業展開しており、AIサービス事業では、紙業界の物流業務における配送手配の最適化プロジェクトにも取り組んでいる。一方、ジャスミンソフトは、超高速開発ツールの開発に定評があり、その実力は米国の大手調査会社ガートナーが5月に発行したレポート『Cool Vendors in Application Development, 2016』で注目ベンダーリストに掲載されるなど高い評価を得ている。
今回の出資により、JPはジャスミンソフトの『Wagby』を核とした事業での連携を強固なものとし、同時にアライズイノベーションが強化する超高速開発を活用したシステム構築によって、物流機能などの効率化を図る。またジャスミンソフトは、年率20%以上で成長する超高速開発ツール市場において、JPグループとTSH社の顧客基盤、技術・開発体制、マーケティング力を活用し、海外市場を含めた事業拡大を進める計画。
<各社の概要>
《ジャスミンソフト》▽代表者:贄良則▽事業内容:パッケージソフトウェアの提供、情報システムの設計・開発、先進技術に関する教育、コンサルティング▽所在地:沖縄県宜野湾市▽設立:2001年3月▽資本金:5,000万円(第三者割当増資後9,000万円)
《アライズイノベーション》▽代表者:岩澤仁▽事業内容:企業向けAIサービス、超高速開発ツールを活用したシステム開発、パブリッククラウドサービス▽所在地:東京都中央区▽設立:2016年6月▽資本金:8,000万円
《東京システムハウス》▽代表者:林知之▽事業内容:コンピュータ利用に関する総合サービス▽所在地:東京都品川区▽設立:1976年11月▽資本金:1億7,990万円
株式会社 紙業タイムス社 「Future1/16号」より