小津産業はこのほど、2019年5月期を初年度とする中期経営計画「小津グループ中期経営計画2021」（18年6月～21年5月)を策定した。

　新・中計では、堅実経営の実績を踏まえて経営基盤の強化とさらなる成長ステージを目指し、21年5月期の売上高440億円（18年5月期比＋10％）、営業利益9億円（同＋14％）を計画。基本方針は、①製造商社機能の拡充、②グループシナジー効果の追求、③グローバル展開の推進の3点で、この方針に沿って次記5つの主要戦略を定めた（概要）。

■不織布加工機能の強化・拡充…連結子会社ディプロ、オヅテクノを中心に、新工場建設（28億円）と機械設備導入（4億円）を行い、高付加価値製品の製造機能を強化・拡充する。19年10月竣工予定のディプロの新工場では、化粧品や医薬部外品を製造できるクリーンな環境を整え、防爆エリアを設置。また、不織布加工機能の強化を補完するためM&Aも視野に入れる。 

■産学および他社との連携による事業分野の拡張…東京大学との共同研究を経て提供開始した除染布『五大力』や、米国エンビロテックケミカルサービス社および全国農業協同組合連合会と新会社を設立して販売強化している除菌剤（食品表面除菌およびサニテーション用途の過酢酸製剤）の事業を拡大する。組織改革、大学との共同研究の推進、他分野への応用も図る。

■経営基盤のさらなる強化…小津グループ各社の持つ財産（商品・得意先・仕入先）を共有して各社の連携を強化し、グループのシナジー効果を最大限に高める。また、事業環境の厳しい家庭紙・日用雑貨事業の利益確保のため、コスト削減を進める。物流費の上昇に対応するため、他社との協業を含めた物流機能の強化や配送効率・納品効率の向上を図るとともに、経営資源の再配分も行う。 

■グローバル展開の推進…アジアを中心とした海外事業の拡大を目指し、海外営業部および小津（上海）貿易有限公司、Ozu（Thailand）Co.,Ltd.を軸に、主力のエレクトロニクス分野の拡大に加え、コスメティック分野を積極展開する。 

■働き方改革の推進…グループの実情に沿ったテーマについて、より働きやすい職場環境の整備を推進する。 

 

株式会社　紙業タイムス社　「Future８/２０号」より