古紙再生促進センターは、段ボール古紙に混入するロウ引き段ボールが深刻な品質トラブルを引き起こすことから、「絶対に古紙と混ぜないでほしい」と注意を喚起している。
ロウ引き段ボールは段ボールに施される加工処理の一つで、ワックス(蝋)を段ボールの表面に塗布したり、段ボールをワックスにドブ漬けしたりすることで防水性を高めている。日本国内ではほとんど使われていないが、輸入青果物や水産加工品などの一部に使用されている。
このロウ引き段ボールが通常の段ボール古紙と一緒に回収され、段ボール原紙(ライナー)の原料に混ざると、原紙の表面に「油染み」が現れ品質不良を引き起こす。ロウ引き段ボールは、一般の段ボールに比べて内側の色が濃かったり、また触ると蝋が付くので比較的容易に判別できる。
古紙センターがこれまでに確認した、輸入品に付随するロウ引き段ボールの事例には以下のようなものがある。
■果物…オーストラリア産ブドウ、チリ産レモン
■野菜…米国・メキシコ・オーストラリア産ブロッコリー、米国産セロリ、オーストラリア産ニンジン
■水産加工品…インドネシア産冷凍エビ、冷凍カニ、冷凍魚
■苗木…パキスタン産苗木
これらの青果物や水産加工品は概ね1年を通して出回っているが、中でもチリ産レモンは5~11月の輸入時期が多いという。
古紙センターでは「ロウ引き段ボールは必ず焼却・廃棄してください」と呼びかけている。
株式会社 紙業タイムス社 「Future3/11号」より