日本製紙連合会は、5月のパルプ・パルプ材速報と4月の古紙需給統計を発表した。％表記は、特に記載がない限り、正体が前年同月比、斜体が19年同月比（コロナ禍以前との比較のため19年比を併記）。

■パルプ速報（5月）

　製紙パルプ生産量は、前年が大幅減だったため＋28.2％の63.0万tとなり、2ヵ月連続の増加（△7.7％）。このうちBKPは＋27.8％の51.4万tで2ヵ月連続の増加（△9.6％）、UKPは＋23.1％の6.9万tで3ヵ月連続の増加（＋1.5％）。

　製紙パルプ販売は＋20.2％の7.3万tで9ヵ月連続の増加（△8.4％）。BKPは、国内販売と輸出が低調だった前年の反動でプラスとなり、＋21.0％の5.6万tと8ヵ月連続の増加。UKPも前年の反動で＋12.9％の1.4万tと5ヵ月ぶりの増加。在庫は前月比△7.4％の13.7万tで2ヵ月ぶりの減少、前年同月比は△21.0％で4ヵ月連続の減少、19年比は＋9.2％。このうちBKPは前月比△4.4％の9.4万tで2ヵ月ぶりの減少、前年同月比は△31.7％で4ヵ月連続の減少。UKPは前月比△15.0％の3.6万tで6ヵ月ぶりの減少、前年同月比は＋26.4％で3ヵ月連続の増加となった。

■パルプ材速報（5月）

　パルプ材消費は、パルプの生産増を受けて＋26.9％の119.0万tとなり、2ヵ月連続の増加（△7.6％）。うち針葉樹は＋21.2％の36.6万tで2ヵ月連続の増加（△6.9％）、広葉樹は＋29.7％の82.4万tで2ヵ月連続の増加（△7.9％）。

　集荷は、＋9.2％の120.0万tで21ヵ月ぶりの増加となったが、19年比は△12.4％。このうち、国産は＋0.9％の34.0万tで19ヵ月ぶりの増加。国産の内訳は、針葉樹が＋3.0％の26.0万tで2ヵ月連続の増加、広葉樹は△5.6％の7.9万tで17ヵ月連続減。輸入は＋12.9％の86.1万tで3ヵ月連続の増加。輸入の内訳は、針葉樹が＋3.1％の11.5万tで3ヵ月連続の増加。広葉樹は＋14.6％の74.5万tで3ヵ月ぶりの増加。なお、前月比では国産、輸入ともに2ヵ月連続の減少であり、消費の低迷を受け慎重な集荷となっている。

　在庫は、前月比＋0.8万tの142.9万tで2ヵ月ぶりの増加となったが、前年同月比は△23.7％、19年比で見ても△19.4％と低い水準。維持月数は1.2ヵ月で前月から横ばい。

■古紙需給（4月）

　古紙入荷は＋2.7％の140.3万tで、2ヵ月連続の増加。うち新聞古紙は△1.8％の21.7万tで21ヵ月連続減、段ボール古紙は＋5.8％の79.0万tで8ヵ月連続の増加。

　消費は、＋1.9％の135.8万tで5ヵ月ぶりの増加。上級古紙（△5.3％）と新聞古紙（△2.4％）はマイナスだったが、段ボール古紙（＋4.9％）と雑誌古紙（＋1.5％）が板紙向けを中心に増加したことが寄与した。在庫は前月比＋7.8％、前年同月比△8.8％の63.0万t。輸出は、△29.1％の23.9万tで7ヵ月連続減。中国が2021年から古紙輸入を原則禁止としたことが大きく影響している。

 

株式会社　紙業タイムス社　「Future7/26号」より