北越コーポレーションの子会社で食品包装・菓子箱、飲料用紙容器を製造販売する北越パッケージは4月、オランダのPackable社と、紙容器『Halopack』(ハロパック)の製造販売に関するライセンス契約を締結し、同容器の日本市場での独占的製造販売権を取得した。『Halopack』は、Packable社が世界特許を保有し、海外11ヵ国に約3.5億個を販売している密閉シール可能な高機能紙容器。
近年、世界的な潮流となっているCO2削減や脱プラニーズを受け、大手加工食品メーカー、流通、コンビニ各社で、プラスチック容器から紙容器への変更を志向する動きが進んでいる。その際の最大のネックは、紙素材単体ではガスバリア性、耐油性、耐水性など、内容物の保護と鮮度維持の面で限界があることだった。また、従来の紙器形状ではフランジ面に生じる段差が完全に解消できず、完璧な密閉シール性を保証できないことも課題となっていた。しかし『Halopack』は、紙器でありながら、内面に高機能多層バリアフィルムを溶着することで高機能多層プラスチック容器と同等のバリア性を保持する。トップフランジ面に段差がないためガス置換、スキンパックなど完璧な密閉シールができ、加工食品の賞味期限延長が可能になる。また、内面フィルム素材の使い分けによって常温・冷蔵・冷凍のいずれの食品にも対応可能で、電子レンジやオーブンに対応する仕様も選定できる。さらに、使用済容器から内面フィルムを剥がして板紙と分別リサイクルできる提案型仕様も可能。
北越では、超高温による焼成や超低温急速冷凍など多岐にわたる用途にも開発対応を進める体制ができており、“画期的な将来型紙容器”として早期の商業化立上げを進めていく考え。
株式会社 紙業タイムス社 「Future6/19号」より