大王製紙は、2022年9月6日にいわき大王製紙で発生したボイラ爆発事故（本誌2022年9/26号既報）について、事故調査報告書を発表した。
　大王製紙といわき大王製紙は、この事故を受けて22年11月、外部有識者を含めた「事故調査委員会」を設置、これまで6回の委員会を開催してきた。そしてこのほど、発生原因および再発防止策を事故調査報告書としてまとめたもの。
　それによれば、この事故では設備周辺で作業していた関係グループ会社社員１名が火傷を負った（約40日の加療後職場復帰）ほか、砂、灰、耐火材などの一部が工場北側の市道に飛散（人、車の通行はなし）。設備被害は、ボイラの火炉（コンバスタ）、ボイラに付属する熱交換室の全損のほか、他設備も一部損傷・変形した。
　発災した設備は、新聞用紙、段ボール原紙製造設備の動力用として使用していた自家発電設備のボイラ部分で、三菱重工業（現 三菱重工パワーインダストリー）製。運転開始は2008年10月。事故調査委員会は爆発原因について、「大量の水が大きな熱容量を持つ流動砂と瞬時に接触することに起因する水蒸気爆発」と推定している。コンバスタ内で爆発事故の起点になったと思われる水管の破口が１ヵ所確認されており、水管破口の原因は複数推定されるため、同社では複数の推定原因すべてに対する再発防止策を講じた上で、ボイラの再建を検討していくとしている。事故や再発防止策などの詳細は、同社webページ（https://www.daio-paper.co.jp/ir/ir_news/）から閲覧できる。

株式会社　紙業タイムス社　「Future7/24号」より