日本書籍出版協会と日本印刷産業連合会はこのほど、第48回造本装幀コンクールの入賞作品を選出。折から開催中の「東京国際ブックフェア」に設けたブースで入賞作品を展示した。併せて会場の別フロアでは入賞者の表彰式と記念パーティーを催し、作品制作の努力を讃えた。

　今年のコンクールに応募があったのは全部で334点。審査は4月22日に行われ、武蔵野美術大学教授/柏木博氏、絵本作家/浜田桂子氏、装幀家・デザイナー/ミルキィ・イソベ氏、女優・脚本家/中江有里氏の5名のほか、日本書籍出版協会から7名、日本印刷産業連合会から6名、後援4団体から各1名、経産省から2名の計24名が入賞作品の選考に当たった。

　第1次審査を通過した作品は83点だったが、審査委員長の柏木氏は総評で、今回は平均的によい作品が多かったと述べ、応募作品のレベルの高さを指摘した。

　また日本書籍出版協会の相賀昌宏理事長は、「展示ブースではメモを取って見学している人もいた。将来は読者の意見も取り入れた読者参加型の展示も検討してみたい」、さらに日本印刷産業連合会の稲木歳明会長は「このコンクールは出版業の発展と読書の推進を図るために始まったと聞いている。今後とも人間の感性に訴えていく出版物を目指していきたい」と主催者を代表してそれぞれ挨拶した。

＜上位入賞者＞▽文部科学大臣賞＝『ガレー/澤村斉美歌集』、出版社/青磁社、装幀者/濱崎実幸、印刷/創栄図書印刷、製本/新生製本

　▽経済産業大臣賞＝『IRON STILLS』、著/半田也寸志、出版社/ADP、装幀者/葛西薫・増田豊、印刷・製本/山田写真製版所

 

株式会社　紙業タイムス社　「Future7/28号」より