スーパーバッグは、2021年度を初年度とする3ヵ年中期経営計画「次世代パッケージ企業への転換」（22年3月期～24年3月期）を策定した。

　新型コロナウイルスやレジ袋有料化、環境対応など、事業環境が大きく変化する中、同社では、「そうした状況下でも成長していくための指針」として新中計を位置づけ、次のような方針を打ち立てた。

①2030年にあるべき姿…▽お客さまとともに地球を大切にする、環境パッケージのフロントランナー▽あなたと家族を守る、社会・暮らしのパートナー

②3ヵ年基本方針（環境対応と成長基盤確立のための3ヵ年）…▽抜本的な事業構造改革により、成長性のある会社へ▽当社で働く、当社と取引をすることが幸せに繋がる会社へ

③業績目標（単体、20年度実績→23年度目標）▽売上高（百万円）：24,681→26,000▽営業利益（百万円）：△126→400▽営業利益率：△0.5％→1.5％

　同社の業績は15年度から20年度の5年で、売上高が△7,868百万円、営業利益が△368百万と大きく悪化した。紙袋とポリ袋を主力に事業展開しているが、同社はこの5年を振り返り、「顧客ニーズにくまなく応えてきた結果、高コスト体質が恒常化した」と悪化の要因を分析。具体的には、外部要因として「市場縮小」「ニーズ変化」「競争激化」「環境対応の重要度の増大」「新型コロナ」を挙げる一方、その他の要因として、「新しい主力商品を見い出せない」「固定費削減遅延」「戦略的な新規投資の欠如」「リスクを過度に回避する体質」などを挙げ、自社の体質についても厳しい評価を下している。こうした反省も踏まえ同社では、今後の基本戦略として次の6項目を掲げた。

○事業構造の転換…環境変化に即した新たなビジネスモデルの構築、組織・人員の最適化、外注の積極的活用など効率的な体制の構築。

○環境対応、CO2削減、脱プラ…紙器や新素材、リサイクルなど、環境に配慮した製品の開発と販促。「スーパーバッグ環境宣言」制定。

○新規事業（製品）の創出…専門部署を立ち上げ、将来の柱となる事業（製品）を創出。紙器事業強化、フレキソ印刷の事業化。他社との連携、海外戦略も視野に。

○安定した財務基盤の構築…コスト構造見直し。資金調達の多様化。IR態勢強化。

○戦略的な新規投資…注力分野への大胆な新規投資。IT投資の促進

○魅力的な職場環境の構築…新しいことにチャレンジするカルチャーの醸成に向けた人事戦略など。

 

株式会社　紙業タイムス社　「Future8/2号」より