2009年の大不況からの立ち直りを見せた2010年以降、北米薄紙市場での需給バランスは好調に推移し、折々に買い手市場よりはむしろ売り手市場という局面も見せていた。この状態は2012年の9月までは明らかな事実であった。その後新たな増産体制が始動する直前までは、米国の薄紙市場は極めて引き締まった状況にあり、業界にある独立した断裁業者は断裁すべき全幅巻取の調達に支障をきたすほどで、供給不足の結果として、輸入紙に頼る状況にまで至った。しかしながら、現在の薄紙市場の概要はそれ以降の2-3年のうちに劇的に変貌してしまったと言って過言ではない。新たな投資案件が北米市場へ怒涛の如く押し寄せ、更なる投資案が詳しい調査に入っており、それを上回る計画段階にあるものも含めると、薄紙消費が伸び悩んでいる状況下、どこかで警戒警報を鳴らさない限り、需給バランスは益々悪化していく。
7月10日付RISIから抜粋
出典:日本紙類輸出組合・日本紙類輸入組合 ペーパー・トレード ブログ