大王製紙のシート状CNF成形体『ELLEX-M』が、米国のカーレース「パイクスピークインターナショナルヒルクライム」(6月24~30日開催)に出場した日本チーム「SAMURAI SPEED」のレースカーに実装された。
パイクスピークインターナショナルヒルクライムは、ロッキー山脈の山頂の一つ、パイクスピーク(標高約4,300m)付近をゴールとするカーレース。全長約20㎞、標高差1,500mを一気に駆け上がる、自動車と二輪車のタイムトライアルで、世界各国から約100チームが参加する。1916年に初開催され、今年は97回目。競技部門には改造無制限のアンリミテッドクラスのほか、市販車をベースに改造した車両が参戦するクラス(タイムアタック1クラス)があり、チームSAMURAI SPEEDはこのクラスに電気自動車で2018年から3年計画で出場している。
昨年は、『ELLEX-M』を使って同車両のカナード翼が試作され、高評価を得た。CNF製カナード翼は高速走行時の空気抵抗にも破損や変形なく優れた耐久性を実証し、自動車部品素材として充分な可能性を示したことから、今年は使用範囲をボンネット、後部座席ドアなど車両本体まで広げ、軽量化と強度の両立による省エネ効果を検証した。大王製紙は、「この成果をもとに『ELLEX-M』の車両部品、スポーツ用品への応用展開の可能性を追求する」としている。
株式会社 紙業タイムス社 「Future7/8号」より