＝紙パの2019年3月期③＝
前号に続き、紙パ関連各社の2020年3月期第1四半期決算（19年4～6月）を紹介する。以下、連結ベース、単位100万円、（ ）内は対前年同期増減率、〈 〉内は前年同期の実績値。
【紙流通】
■セキ
〔第1四半期〕
売上高 2,859 （＋3.1％）
営業益 △38 〈△45〉
経常益 29 （＋145.1％）
当期益 11 〈△4〉
〔通期予想〕
売上高 12,800 （＋5.4％）
営業益 180 （＋9.3％）
経常益 316 （＋4.8％）
当期益 200 （＋0.6％）
営業活動強化などにより増収となった一方、水性フレキソ印刷加工事業にかかる費用の発生により営業損益は赤字となった。貸倒引当金戻入益の増加などにより経常利益と当期純利益は増益。
○印刷関連事業…売上高は前年同期比＋3.2％、営業損益は△17百万円（前年同期は△19百万円）。企画提案営業の強化や、水性フレキソ印刷加工事業が順調に推移し始めたことにより増収となったが、同事業にかかる費用発生で赤字。
○洋紙・板紙販売関連事業…売上高は前年同期比＋6.0％、営業損益は△4百万円（前年同期は2百万円）。積極的な営業活動により増収となったが、損益は市況の悪化や競争激化に伴う利益率の低下などにより赤字化した。
○出版・広告代理関連事業…売上高は前年同期比△8.4％、営業損益は△28百万円（前年同期は35百万円）。
○美術館関連事業…売上高は前年同期比＋11.9％、営業損益は△6百万円（前年同期は△6百万円）。
○カタログ販売関連事業…売上高は前年同期比＋8.6％、営業利益は同＋32.9％。
【紙加工】
■リンテック
〔第1四半期〕
売上高 58,563 （△5.4％）
営業益 3,033 （△40.5％）
経常益 2,795 （△46.9％）
当期益 1,875 （△51.7％）
〔通期予想〕
売上高 260,000 （＋3.6％）
営業益 19,000 （＋5.7％）
経常益 18,500 （＋2.8％）
当期益 13,500 （＋4.3％）
○印刷材・産業工材関連…売上高は前年同期比＋1.4％、営業利益は同△83.4％。シール・ラベル用粘着製品は、国内では食品関連や飲料用キャンペーンラベルが低調だったが宅配・通販関連が堅調に推移。ウインドーフィルムは米国、東南アジアで堅調だったが、自動車用粘着製品が低調。
○電子・光学関連…売上高は前年同期比△14.6％、営業利益は同△32.2％。半導体関連粘着テープ・関連装置は大幅減少。積層セラミックコンデンサ関連テープもスマホ用が市場の生産調整の影響を受け低調。光学ディスプレイ関連粘着製品もスマホ用などの中小型向けが低調。
○洋紙・加工材関連…売上高は前年同期比△4.9％、営業利益は同△9.4％。洋紙事業部門は、封筒用紙や耐油耐水紙が堅調でプラス。加工材事業部門は、一般粘着製品用剥離紙や光学関連製品用剥離フィルムが低調でマイナス。
■トーモク
〔第1四半期〕
売上高 37,987 （＋4.8％）
営業益 △391 〈△94〉
経常益 △369 〈209〉
当期益 △403 〈98〉
〔通期予想〕
売上高 185,000 （＋7.8％）
営業益 7,600 （＋46.0％）
経常益 8,000 （＋42.8％）
当期益 5,000 （＋12.0％）
○段ボール…売上高は前年同期比＋8.6％、製品価格の改定に努め増収となった。生産量も前年同期比プラスで、全国の伸び率を上回った。営業利益は原材料コストの上昇などにより同△21.5％。
○住宅…売上高は販売棟数の減少もあり前年同期比△7.5％。営業損益は、上半期はコストが先行するという住宅事業の特性もあり△1,760百万円（前年同期は△1,820百万円）。
○運輸倉庫…5～6月は天候不順の影響を受けて飲料関係の出荷が落込んだが、連休前の好調な荷動きや西日本エリアでの飲料関係の取扱い増があり、売上高は前年同期比＋0.6％。営業利益は、燃料価格上昇や車両不足、ドライバー不足のほか、内部コストの増加もあり、同△7.4％。
■ナカバヤシ
〔第1四半期〕
売上高 14,379 （＋4.2％）
営業益 108 （△25.7％）
経常益 280 （△15.5％）
当期益 85 （△65.7％）
〔通期予想〕
売上高 65,000 （＋1.5％）
営業益 3,200 （＋53.1％）
経常益 3,600 （＋45.9％）
当期益 2,000 （＋27.7％）
売上高は、ビジネスプロセスソリューション事業の増収や年初に連結化した子会社の業績寄与により増加。利益面は、原価率が若干低下したものの、販管費の増加により減益。また、当期純利益の減益には、投資有価証券評価損の計上なども影響している。
○ビジネスプロセスソリューション事業（データプリントサービス、図書館ソリューションなど）…売上高は前年同期比＋3.9％、営業損益は△24百万円（前年同期は△93百万円）。
○コンシューマーコミュニケーション事業（アルバム、ノート、ステーショナリー関連）…売上高は前年同期比＋6.6％、営業利益は同△51.9％。
○オフィスアプライアンス事業…売上高は前年同期比＋1.9％、営業利益は同△3.5％。
○エネルギー事業…売上高は前年同期比△9.2％、営業利益は同△9.4％。
○その他…売上高は前年同期比＋58.4％、営業損益は△8百万円（前年同期は△12百万円）。
■朝日印刷
〔第1四半期〕
売上高 9,584 （＋5.8％）
営業益 390 （△4.2％）
経常益 486 （△19.8％）
当期益 294 （△28.1％）
〔通期予想〕
売上高 41,690 （＋6.0％）
営業益 1,820 （△2.7％）
経常益 2,080 （△7.6％）
当期益 1,490 （△10.3％）
売上高は増加したが、人員増による労務費の増加に加え、原材料コストの上昇などに伴う変動費の増加により減益となった。
○印刷包材事業…売上高は前年同期比＋4.6％、セグメント利益は同＋1.0％。医薬品市場では医療用向け、OTC向けともに前年同期を上回り、また化粧品向けも好調な市場動向を受けて増加した。
○包装システム販売事業…売上高は前年同期比＋30.1％、セグメント利益は同＋54.4％。
○その他（人材派遣事業）…売上高は前年同期比＋28.2％、セグメント利益は同＋20.9％。
■スーパーバッグ
〔第1四半期〕
売上高 7,805 （＋1.9％）
営業益 △27 〈△146〉
経常益 △7 〈△122〉
当期益 △6 〈△130〉
〔通期予想〕
売上高 33,500 （＋1.5％）
営業益 300 〈320〉
経常益 300 〈350〉
当期益 200 〈209〉
○紙製品事業…売上高は前年同期比＋1.5％、セグメント利益は同＋39.3％。主力の手提袋の販売金額増加などにより増収。利益面は、生産利益が増加し、また販売価格修正も進捗、加えて物流コスト増加を経費削減で補い販売管理費が減少したことから、増益となった。
○化成品事業…売上高は前年同期比＋1.7％、セグメント利益は同約6.3倍。主力のレジ袋の販売金額増加などにより増収。利益は、原材料価格低下、販売管理費減少などにより増益。
○その他事業…売上高は前年同期比＋3.2％、セグメント損益は8百万円（前年同期は△5百万円）。
■昭和パックス
〔第1四半期〕
売上高 4,885 （△0.8％）
営業益 296 （△9.3％）
経常益 361 （△5.2％）
当期益 252 （△4.1％）
〔通期予想〕
売上高 22,000 （＋0.8％）
営業益 1,500 （△1.5％）
経常益 1,630 （△2.3％）
当期益 1,120 （△3.0％）
○重包装袋…売上高は前年同期比△0.2％、セグメント利益は同△5.7％。クラフト紙袋の売上量は、米麦袋のほか、合成樹脂、砂糖・甘味、化学薬品用途が減少し、前年同期比△4.5％。子会社の売上量は、九州紙工が同△2.4％、タイ昭和パックスは同△8.4％、山陰製袋工業は同＋13.1％。
○フィルム製品…売上高は前年同期比＋2.0％、セグメント利益は同＋48.1％。売上量は、産業用が増加、農業用は減少し、全体では同△0.2％。
○コンテナー…売上高は前年同期比△3.7％、セグメント損益は△13百万円（前年同期は△4百万円）。
○不動産賃貸…売上高は前年同期比△2.0％、セグメント利益は同△18.9％。
■大石産業
〔第1四半期〕
売上高 4,504 （△3.7％）
営業益 199 （△24.5％）
経常益 227 （△26.0％）
当期益 144 （△30.6％）
〔通期予想〕
売上高 20,000 （＋6.5％）
営業益 1,050 （＋38.2％）
経常益 1,300 （＋37.6％）
当期益 900 （＋55.9％）
1Qの売上高は、主にフィルム製品および海外部門の減収などにより減少した。利益面は、減収の影響およびM&Aに関連する一時費用の計上により減益となった。大石産業では、紙袋事業の拡大を図るため柳沢製袋をグループ化するなど、M&Aにも取り組んでいる。
株式会社 紙業タイムス社 「Future9/16号」より
