決　算

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2020/05/27

＝紙パの2020年3月期①＝

　紙パ関連各社の2020年3月期決算（19年4月～20年3月）の発表が始まった。今号より順不同で紹介していく。以下、数値は連結ベース、単位100万円、（　）内は対前年度増減率。

【紙加工】

■リンテック

〔2020年3月期〕

　売上高 240,727 （△4.1％）

　営業益 15,440 （△14.1％）

　経常益 14,484 （△19.5％）

　当期益 9,620 （△25.6％）

〔2021年3月期予想〕

　売上高 240,000 （△0.3％）

　営業益 15,000 （△2.9％）

　経常益 15,000 （＋3.6％）

　当期益 11,000 （＋14.3％）

　当期純利益の減益幅が大きいのは、米国子会社でのれんの減損損失545百万円を計上したことなどによる。

○印刷材・産業工材関連…売上高は前年度比△0.4％、営業利益は同△75.3％。シール・ラベル用粘着製品は、国内では食品・飲料関連や化粧品などのアイキャッチラベルが低調に推移。海外は中国で景気減速の影響を受けたが米国は堅調。ウインドーフィルムは国内外ともに順調。自動車用粘着製品は低調。

○電子・光学関連…売上高は前年度比△9.3％、営業利益は同△1.5％。半導体関連粘着テープは需要が回復し増加したが、半導体関連装置や積層セラミックコンデンサ関連テープは大幅減。光学ディスプレイ関連粘着製品も低調だった。

○洋紙・加工材関連…売上高は前年度比△3.5％、営業利益は同＋17.9％。洋紙事業部門は、主力のカラー封筒用紙が堅調だったほか、建材用紙やファストフード向けの耐油耐水紙などが順調で売上高は微増。加工材事業部門は、電子材料用剥離紙は堅調だったものの、一般粘着製品用剥離紙や光学関連製品用剥離フィルムが低調で減収。

　21年3月期予想については、現時点で新型コロナの収束時期を見極めるのは難しいが、1～2Qはさまざまな領域で需要環境の悪化が予想され、3Q以降に正常な事業活動に向かうことを前提とした。感染拡大が長期化し、業績予想の修正が必要となった場合は速やかに開示する。

■トーモク

〔2020年3月期〕

　売上高 176,583 （＋2.9％）

　営業益 6,911 （＋32.8％）

　経常益 7,107 （＋26.8％）

　当期益 4,562 （＋2.2％）

〔2021年3月期予想〕

　売上高 185,000 （＋4.8％）

　営業益 7,500 （＋8.5％）

　経常益 7,700 （＋8.3％）

　当期益 4,800 （＋5.2％）

○段ボール…製品価格改定に努めた結果、売上高は前年度比＋7.8％、営業利益は同＋75.4％。段ボール生産量は、飲料や加工食品、薬品・洗剤向けなどの増加によって前年度比プラス。段ボール需要への新型コロナの影響は、年度末までのマイナス幅はわずかだった。

○住宅…政府による住宅取得支援策はあるものの、顧客の慎重さもあって住宅の売上高は前年度比△4.9％、営業利益は同△42.3％。

○運輸倉庫…売上高は前年度比△0.6％。営業利益は同△11.2％。夏場の天候不順により飲料関係の荷動きが停滞し、滞留によるパレット賃借料などの費用が増加したこと、また車両不足による庸車費用も増加したことなどが影響した。

　21年3月期は、新型コロナの影響による受注減が見込まれるが、期後半から回復する前提で業績予想を算定している。したがって今後の動向次第では、大きく変動する可能性もある。

■朝日印刷

〔2020年3月期〕

　売上高 40,460 （＋2.9％）

　営業益 1,837 （△1.8％）

　経常益 2,173 （△3.4％）

　当期益 1,487 （△10.4％）

〔2021年3月期予想〕

　売上高 40,500 ～39,600

（＋0.1～△2.1％）

　営業益 1,080 ～770

（△41.2～△58.1％）

　経常益 1,320～1,000

（△39.3～△54.0％）

　当期益 900～690

（△39.5～△53.6％）

　売上高は増加したが、物流コスト・原材料費上昇に伴う変動費や、印刷包材事業の増産体制構築に関連する費用増により減益となった。

○印刷包材事業…売上高は前年度比＋2.7％、セグメント利益は同＋3.7％。医薬品市場では医療用向け、OTC向けともに前年を上回ったが、化粧品向けはインバウンド需要の低下もあり減少した。

○包装システム販売事業…売上高は前年度比＋3.7％、セグメント利益は同＋10.6％。

○その他（人材派遣事業）…売上高は前年度比＋15.4％、セグメント利益は同＋16.6％。

　21年3月期予想は、新型コロナの終息時期が不透明な状況下、業績に及ぼす影響を算定するのが難しいため、レンジ形式で開示した。新型コロナの影響は夏から秋頃まで継続すると想定して算定しており、今後の状況によっては大きく変動する可能性もある。利益面では、増産体制構築に伴う労務費や京都クリエイティブパーク西棟の償却費など費用の増加を想定した。

■ハビックス

〔2020年3月期〕

　売上高 12,869 （＋0.4％）

　営業益 943 （＋37.8％）

　経常益 1,036 （＋49.2％）

　当期益 565 （＋19.2％）

〔2021年3月期予想〕

　～未定～

○不織布関連事業…売上高は前年度比＋1.6％、セグメント利益は同＋5.5％。パルプ不織布は、クッキングペーパー、ドリップ吸収シート向け製品、おしぼり向け製品が堅調に推移し増収。利益は、コスト削減に加え、原燃料価格が下落傾向で推移し増益。化合繊不織布は、中国向け輸出減少の影響で一部販売先への販売量が減少したことや、原料価格下落による販売単価の修正により減収減益。

○紙関連事業…売上高は前年度比△1.3％、セグメント利益は同＋117.6％。衛生用紙は、ペットシーツ向け製品は堅調だったが、ベビー用紙おむつ向け製品が中国向け輸出減少の影響を受けたことや、原燃料価格下落による販売単価修正などにより減収となった。利益は、コスト削減およびパルプ価格の下落傾向により増益。

　21年3月期は、販売先である外食産業が新型コロナで極めて大きな影響を受けており、業績に影響を及ぼす可能性がある。しかし現時点で状況を把握するのは難しいため、業績予想と配当予想は未定とした。開示が可能となった時点で速やかに公表する。

【紙流通】

■共同紙販ホールディングス

〔2020年3月期〕

　売上高 15,748 （＋1.8％）

　営業益 154（＋40.4％）

　経常益 177 （＋31.8％）

　当期益 103 （△35.5％）

〔2021年3月期予想〕

　～未定～

　顧客ニーズにきめ細かく対応する営業活動と適正価格販売の堅持に取り組んだ結果、売上高は上期に改善したものの、下期の販売低迷により主力の印刷用紙の販売量が前年を大きく下回った。利益面では、上期の価格修正改善により、営業利益、経常利益は増益となったが、当期純利益は、税効果会計における法人税等調整額が前年に比べて8,700万円増加したことにより減益となった。セグメント別売上高は、洋紙卸売事業が前年同期比＋1.8％、不動産賃貸事業が同△0.3％、物流事業が同△0.8％。

　21年3月期の業績予想は、新型コロナの影響により、現時点で合理的に算定するのが難しいため未定とした。算定が可能となった時点で速やかに公表する。

＝スーパーバッグ＝

業績予想を修正

　スーパーバッグは、2019年10月に公表した20年3月期の通期業績予想（連結）を次記の通り修正した。以下、単位100万円、前期は実績値。

〔通期予想〕

前回今回前期実績

売上高 33,000 31,895 32,995

営業益 300 477 △206

経常益 300 476 △164

当期益 200 351 △933

　売上高は、消費税率引上げ後の消費マインド低下に加えて新型コロナウイルスの影響などから、販売量が計画未達となり、前回予想を下回る見込みとなった。利益は、生産効率の向上やコスト削減に取り組み、営業、経常、最終益のいずれも前回予想を上回る見込み。

＝平和紙業＝