凸版印刷と伊藤忠商事は、タイのパッケージ会社Thung Hua Sinn Printing Network(=TPNグループ)と提携し、タイで軟包材事業に参入する。TPNグループが新設した軟包材会社、TPN Food Packaging Co., Ltd(=TPN Food Packaging)と、4月6日付で資本業務提携契約を締結した。凸版印刷と伊藤忠商事は、TPN Food Packagingの株式10.7%を取得する。
経済成長著しいタイの都市部では、伝統的な屋台に代わってスーパーやコンビニが増加し流通形態の変化が加速、また、タイは以前から食品加工が盛んで輸出量も年々増加している。タイの軟包材市場は約1,200億円と推計されるが、流通形態の変化や加工食品の輸出拡大により、長期保存が可能なバリア性能に優れた包材や、消費者の使いやすさを訴求した包材など、機能性に優れた包材へのニーズが高まっている。
1953年創業のTPNグループは、パッケージの製造・販売ではタイ国内トップクラスの企業。紙器・ラベル・軟包材事業を展開し、2016年6月には、グラビア印刷を中心とした軟包材事業を拡大するため、TPN Food Packagingを設立している。
他方、凸版印刷は、世界トップシェアの透明バリアフィルム『GL BARRIER』を強みに、紙器・軟包装・プラスチック容器などのパッケージ事業を国内外で展開している。ASEAN地域での事業展開は、インドネシアで1973年から軟包材事業を、タイで1990年から紙器の製造・販売を行っている。
また伊藤忠商事は、生活消費財を重点分野と位置付け、国内外で投資を積極的に進めてきた。タイのCharoen Pokphandグループ(=CPグループ)との業務・資本提携を機に、タイおよびASEAN市場での取組みを強化しており、CPグループの各事業会社や、Dole International Holdingsをはじめとする食品会社に包装資材を提案している。
凸版印刷と伊藤忠商事は今後、TPN Food Packaging、TPNグループと共同で、タイおよびインドシナ半島市場での軟包材事業拡大を目指す。事業拡大とともに、TPN Food Packagingへの追加出資も実施する予定。
株式会社 紙業タイムス社 「Future5/1号」より