日本製紙連合会が集計した8月の紙・板紙国内出荷は、前年同月比△3.3％の155.9万tで、2ヵ月ぶりのマイナスとなった。以下、％表記は前年同月比。
　国内出荷のうち、紙は△3.8％の73.7万t、板紙は△2.8％の82.2万t。用途別では、グラフィック用紙（新聞用紙＋印刷・情報用紙）が△7.2％の48.9万tで31ヵ月連続のマイナス、パッケージング用紙（包装用紙＋段ボール原紙＋紙器用板紙＋雑種紙＋その他の板紙）が△2.4％の91.0万tで2ヵ月ぶりのマイナスとなった。主要品種では白板紙と衛生用紙がプラスだった。
　紙・板紙のメーカー輸出は＋26.7％の13.0万tで5ヵ月連続のプラス。うち、グラフィック用紙は塗工紙を中心に印刷・情報用紙が南アジア、東南アジア、東アジア向けで増加して＋51.1％の4.9万tとなり、5ヵ月連続のプラス。特にインド向けが好調だった。パッケージング用紙は段ボール原紙を中心に包装用紙、白板紙が東南アジア向けで増加して＋15.5％の8.1万tとなり、5ヵ月連続のプラス。国別で見るとベトナム、韓国、台湾向けは好調だったが、中国向けはマイナスだった。
　紙・板紙の在庫は前月比＋8.6万tの187.7万tで3ヵ月ぶりの増加。うち、グラフィック用紙は印刷・情報用紙を中心に新聞用紙も増加して同＋6.5万tの76.3万tとなり、3ヵ月ぶりの増加。パッケージング用紙は包装用紙、段ボール原紙、白板紙ともに増加して同＋2.7万tの102.4万tとなり、2ヵ月ぶりの増加。衛生用紙は同△0.6万tの9.0万tで2ヵ月連続の減少となった。
〔主要品種の動向〕
＊新聞用紙…国内出荷は△7.3％の12.7万tで39ヵ月連続のマイナス。
＊印刷・情報用紙…国内出荷は△7.2％の36.2万tで24ヵ月連続マイナス。メーカー輸出は＋51.1％の4.9万tで5ヵ月連続のプラス。
＊包装用紙…国内出荷は△1.5％の4.7万tで2ヵ月ぶりのマイナス。メーカー輸出は＋20.0％の1.3万tで5ヵ月連続のプラス。
＊段ボール原紙…国内出荷は△3.6％の66.5万tで2ヵ月ぶりのマイナス。メーカー輸出は＋15.8％の5.6万tで5ヵ月連続のプラス。
＊白板紙…国内出荷は、前年同月が悪かったことに加えてトレカなどの好調もあり、＋2.6％の10.5万tと2ヵ月連続のプラス。メーカー輸出は＋7.4％の0.4万tで4ヵ月連続のプラス。
＊衛生用紙…国内出荷は、インバウンド関係に加え、南海トラフ地震臨時情報の発令で一部地域において備蓄の動きが広がったため、＋5.3％の15.9万tとなり、2ヵ月連続のプラス。
 

株式会社　紙業タイムス社　「Future10/14号」より