大日本印刷はこのほど、高輝度で白色発光する無機EL(Electro-Luminescence)パネルと印刷物を組み合わせた“光るポスター”の本格販売を開始、他媒体と組み合わせたトータルな販促施策の一環として多方面に展開していく。
ELには自発光する性質があり、液晶パネルなどよりも省電力、薄型、軽量という特長がある。また、プラスチックのような柔らかい基材に加工できるため、円柱など曲面への設置が可能だ。そのうえ視野角が液晶以上に広く、さまざまな角度から見るポスターには最適な素材。コスト的にも、蛍光灯やLEDを使った電飾看板に比べて設置に要する電気工事などの費用負担が少なく、また無機ELの消費電力は蛍光灯の電飾看板の約60%しかないので運用コストも低減できる。寿命も最長で2万時間と長い。
同社は、電圧をかけるだけで自ら発光するこのELの特徴に注目し、“曲げられる光る紙”とも言える薄型ELパネルの開発に取り組んできた。今回販売を開始した“光るポスター”は、比較的低コストで広い面積に利用できる高輝度無機ELを採用し、フルカラーポスターの後ろから無機 ELの高輝度照明光をセグメント方式で発光させることで、図柄をアニメーションのように浮き上がらせる。同社では、駅構内の待合室や通路、ショッピングセンターや店舗向けに、チラシやPOP、デジタルサイネージ(電子看板)などと組み合わせたトータルな販促施策の一環として、提案していく考え。また今後は耐久性や強度などを高め、屋外でも使用可能な光るポスターを開発する。 2013年度までに5億円の売上げを目指す。
株式会社 紙業タイムス社 「Future 10/11号」より