王子グループの王子木材緑化はこのほど、ミャンマーで住友林業の子会社Sumitomo Forestry (Singapore) Ltd.（＝SFシンガポール）および現地の家具製造会社Moe Mya Chai Co.,Ltd.（＝MMC社）との合弁により、製材事業の現地法人を設立した。10月を目途に、ゴム植林木を主原料とした製材品などの製造・販売を開始する。

　王子木材緑化、SFシンガポール、MMC社3社の調査によれば、ミャンマー南部地域には豊富なゴム資源があり、ゴムラテックス採集後の木材が製材加工事業に有望。また、原材料丸太の調達原価や人件費にも優位性があり、競争力の高い加工事業が実現できる見通しが得られたことから、3社は合弁契約を締結した。

　この合弁事業では、ゴム植林木を主原料にカウンターや椅子など家具の材料となる木質ラミナ（集成材原料）を製造する。生産管理と海外市場への販売は王子木材緑化とSFシンガポールが担い、現地企業であるMMC社は主として原料調達・現地工場運営を行う。

　ミャンマーで日系企業がこうした事業を手掛けるのは初めてで、また王子グループと住友林業グループが商業レベルで海外協業事業を展開するのも初の試み。王子は、「お互いのノウハウを注力することで相乗効果が期待でき、同国内での雇用促進にも寄与するものと考える」と期待を語っている。

＜合弁会社の概要＞

▽名称：MOS LUMBER PRODUCTS CO.,LTD.▽所在地：ミャンマー南部モン州モーラミャイン地域▽資本金：225万㌦▽出資比率：王子木材緑化54％、SFシンガポール26％、MMC社20％▽事業内容：ゴム植林木を主原料とする製材品などの製造・販売▽生産能力：約8,000/年▽生産品目：ゴムラミナ（集成材原料）

 

株式会社　紙業タイムス社　「Future1/26号」より