経済産業省は9月1日の「防災の日」に合わせ、9月2~6日の5日間、経済産業省本館1階ロビーでトイレットペーパー(TP)の備蓄推進に関するパネル展示を行った。主催は経済産業省、展示協力は日本家庭紙工業会、NPO法人 緊急災害備蓄推進協議会。「備えあれば、憂いなし。」をコンセプトに、家庭での備蓄の必要性の説明や備蓄用TPなどを展示した。
大規模災害の際にはさまざまな物資の不足が問題となるが、生活に必要不可欠なTPの不足も深刻な問題だ。2011年の東日本大震災でも、被災地のみならず全国的にTPが不足する事態が発生している。TPは、国内での生産の約4割を静岡県が担っていることから、東海地震などが発生した場合、全国的に深刻なTPの供給不足が懸念されている。
経産省の働きかけにより、日本家庭紙工業会(日家工)では「トイレットペーパー供給継続計画」を策定し、災害時にはその構成員がTPの増産等を行うこととなっているが、それでも1ヵ月程度の混乱が起こると予想されている。
そのため経産省では、普段から各家庭内で日常用のTPとは別に、1ヵ月分程度のTPの備蓄を呼びかけており、特にコンパクトで収納が省スペースで済む、芯なし・長巻きの備蓄用TPが最適として推薦している。なお、4人家族で必要となる1ヵ月分のTPはおよそ15ロール(約900m)とされているが、芯なし・長巻きの備蓄用TPなら約6ロール分で済む。
パネル展示では備蓄の方法として、普段使いとは別に備蓄用ストックを備える「従来型ストック」に加え、普段から多めに購入し、使ったらその都度買い足していく「ローリングストック」法も紹介した。また、“ティシュ兼TP”として利便性の高い、トイレ(水)に流せるティシュもPRした。
さらに今回は、災害時における政府からの支援物資のひとつである段ボールベッドも展示し、「8月下旬に発生した北九州北部豪雨でも佐賀県内の避難所へ届けられた」と紹介した。
株式会社 紙業タイムス社 「Future9/23号」より