＝紙パの2018年12月期業績＝

　前号までで紹介した3月決算企業の第3四半期業績に続き、12月決算の紙加工企業の2018年12月期業績（18年1～12月）を紹介する。以下、連結ベース、単位100万円、（　）内は対前年増減率、〈　〉内は前年の実績値。

●コクヨ

〔2018年12月期〕

　売上高 315,155 （△0.1％）

　営業益 18,296 （＋4.0％）

　経常益 19,178 （＋0.3％）

　当期益 14,231 （△5.1％）

〔2019年12月期予想〕

　売上高 326,000 （＋3.4％）

　営業益 18,800 （＋2.8％）

　経常益 19,700 （＋2.7％）

　当期益 14,400 （＋1.2％）

　売上高は、ストア事業の譲渡に伴う売上減やステーショナリー関連事業の減収があり、微減となった。売上総利益は、利益率にこだわった施策により前年比＋2.3％、また売上総利益率は0.8ポイント向上の35.7％。一方、販管費は同＋1.9％と増加し、売上高販管費率は29.9％となった。当期益は、前年度に繰延税金資産の回収可能性の見直し等による法人税等の減少があった反動により減益。

○ステーショナリー関連事業…売上高は前年比△1.9％、営業利益は同△11.1％。海外事業は堅調だったが、国内事業の需要冷え込みと新製品不振により減収減益。

○ファニチャー関連事業…ストア事業の譲渡に伴う売上減をオフィス家具販売が補い、売上高は前年比＋0.8％。営業利益は、増収に加えてコストダウンの推進、商品ミックスの改善により同＋23.0％。

○通販・小売関連事業…カウネットは伸び悩んだが、アクタスの新規出店による増収があり、売上高は前年比±0.0％と横ばい。営業利益は物流費増などにより同△13.5％。

●ザ・パック

〔2018年12月期〕

　売上高 93,126 （＋3.1％）

　営業益 6,924 （△4.8％）

　経常益 7,212 （△5.0％）

　当期益 4,968 （△4.6％）

〔2019年12月期予想〕

　売上高 95,800 （＋2.9％）

　営業益 7,300 （＋5.4％）

　経常益 7,600 （＋5.4％）

　当期益 5,000 （＋0.6％）

○紙加工品事業…売上高は前年比＋4.3％、営業利益は同△4.5％。主力の紙袋の売上高は、国内専門店向けの販売が減少したものの特百嘉包装品貿易（上海）有限公司が好調に推移し、同＋0.6％。紙器は食品用パッケージやｅコマース市場向けが好調だったほか、新規子会社のカンナル印刷の売上が寄与し、売上高は同＋11.0％。段ボールの売上高も、メーカーやｅコマース市場向けが堅調で同＋6.2％。印刷の売上高は同△0.1％。

○化成品事業…売上高は前年比＋0.4％、営業利益は原材料高や減価償却の増加により、同△17.1％。

○その他…カンナル印刷の販促品の売上が加算され、売上高は前年比＋2.2％、営業利益は同＋8.8％。

●ダイナパック

〔2018年12月期〕

　売上高 53,085 （＋6.7％）

　営業益 △473 〈304〉

　経常益 △115 〈654〉

　当期益 △857 〈1,244〉

〔2019年12月期予想〕

　売上高 57,600 （＋8.5％）

　営業益 400 〈△473〉

　経常益 710 〈△115〉

　当期益 480 〈△857〉

　国内段ボール販売量は、食料品および青果物が堅調だったことに加え、旭段ボールのグループ入り（2018年7月）もあり、前年比＋4.0％となった。 一方、採算面では、17年度からの段ボール原紙の大幅な値上がりを受けて製品価格改定に取り組んだが、原紙価格上昇の先行負担が増嵩した。また、18年11月から段原紙価格が再び値上がりしたことに加え、運送コスト上昇やM&A費用が収益を圧迫した。段原紙価格上昇分の先行負担を主な要因として、減損損失15億6,600万円を特別損失に計上している。 海外事業は、ハイフォンの設備増強などにより販売金額は大きく伸長したが、ベトナムでも段原紙価格が上昇し、製品価格の改定に先行する負担が生じたため、収益では前年並みの水準となった。

　セグメント別の業績は、包装材関連事業は売上高が前年比＋5.7％、セグメント損益が△5億2,600万円（前年は5億800万円）、不動産賃貸事業は売上高が前年比△0.6％、セグメント利益が同△1.0％。

 

株式会社　紙業タイムス社　「Future3/25号」より