北越コーポレーションの岸本晢夫（きしもと・せきお）代取社長CEOが、令和5年秋の叙勲で旭日中綬章を受章した。
　11月9日にホテルニューオータニで執り行われた勲章伝達式では、経済産業省推薦の勲章受章者約200名を代表して、副大臣より勲記および勲章が伝達された。
　岸本氏は1945（昭和20）年5月16日生まれの78歳。69年6月東京大学経済学部経済学科卒業後、26年間の三菱商事勤務を経て、99年3月北越製紙（現 北越コーポレーション）に入社。同年6月に取締役に就任した後、常務、専務、代取専務、代取副社長、代取副社長CO-CEOを経て、08年4月から代取社長CEOを務めている（現任）。
　一方、業界団体、経済団体関連では、2008年日本製紙連合会副会長、東京経営者協会常任理事、16年同協会常任幹事、08年日本経済団体連合会理事、12年同連合会幹事に就任し、現在に至る。また08年5月～12年5月には修養団の理事を務めるなど、業界内外で多数の要職を歴任している。
　岸本氏は、北越コーポレーションの社長として国内の経営基盤強化、国際競争力強化を模索し、カナダ、中国、フランスへの生産拠点拡大に取り組むとともに、環境経営を重視する施策を次々と実行するなど、同社を大きく発展させた。
　業界への功績も大きく、日本製紙連合会の副会長兼パルプ・古紙部会長として、さまざまな課題に取り組んできた。特に09年10月から15年度の古紙利用率目標の検討に当たっては、紙の内需低下と古紙リサイクルシステムの成熟化によって、新たな目標値設定が困難な状況であったが、岸本氏の強いリーダーシップのもと前回目標を上回る目標値を設定、そして15年度には目標達成に導いた。また、岸本氏はアジア全体での古紙需給対策の重要性についても指摘、製紙連が率先してアジア各国の古紙リサイクルシステムの構築に協力していくことを提案し、経産省などとともに支援事業を具体化させた。
 

株式会社　紙業タイムス社　「Future11/27号」より