服部製紙の服部正和代取社長が海外webメディア「The Worldfolio」のインタビューを受け、「The Worldfolio」のwebサイトと「Newsweek」(国際版、3月24日号)に掲載された。
服部製紙は、肌にやさしく環境に負荷をかけないアルカリ電解水や重曹電解水をしみ込ませたクリーニング用シートで知られる家庭紙メーカー。このほか、キッチンペーパーや廃油処理袋、強酸性電解水スキンケアシートなども製造している。インタビューでは、現社長の祖父が手漉き和紙で創業し、父の代に紙テープ、トイレットペーパーへと製品の幅を広げ、その後、現社長が「海をきれいすることにつながる製品を作りたい」との思いから、環境配慮型製品にシフトしていく服部製紙の歴史とともに、同社製品の特徴や今後の抱負が語られた。
インタビューによれば、環境問題が再びクローズアップされる中、服部製紙は食器の油汚れを拭き取るシートやアルカリ電解水を使ったクリーニング用シートの開発に着手。これが同社の転換点となり、2001年からアルカリ電解水をしみ込ませたウェットシートの販売を始めた。同社のアルカリ電解水は、合成界面活性剤、防腐・防カビ剤、pH安定剤を一切使っておらず、この点で他社のアルカリクリーナーとは一線を画す。
販売戦略としては、国内ではセブンイレブンやマツモトキヨシなどと提携してOEMサービスを提供し、すでに製品・技術面で高い評価を得ている。服部社長によれば、今後は海外でも競争力を持てる戦略が必要と考えており、例えば米国のスーパーマーケットのPB商品など、新たな市場への参入に向けたビジネスを検討しているという。
また服部社長は、これからの夢についても語った。「当社は小さな会社だが、アルカリ電解水を普及させて世界中のキッチンをより安全に、より清潔にする夢を持っている」という。その第一歩として、少量の製品が好まれない欧米市場向けには、日本では1パック20枚入りのシートクリーナーを、80枚入りに変更して発売。またベトナムやカンボジアなど東南アジアでも、製品を紹介する取組みを進めつつある。服部社長は、「世界中のキッチンを安全・安心にきれいにするという使命を、次の世代に引き継いでいきたい」と語った。
株式会社 紙業タイムス社 「Future5/15号」より