日本洋紙板紙卸商業組合（日紙商：組合員数321社、柏原孫左衛門理事長）は、今年12月以降に実施される印刷・情報用紙の価格修正に対する要望書を、製紙メーカー・代理店各社に対して出状した。日紙商からの要望書出状は今年に入ってから3月、7月に続き3回目となる。
　コロナ禍におけるペーパーレス化の加速に加え、前回、前々回の価格修正により紙需要は着実に減少しており、通算すると大幅な値上げ幅となることから、ユーザー各社の年度予算を睨んだ調達コスト削減要請を勘案し、より一層の紙需要の減少に繋がることを懸念してのもの。製紙メーカー・代理店各社への要望事項は次記の通り。
1．今回の価格修正の改定幅と実施時期の再検討
2．ユーザーに対し、価格修正を実施する明確な理由の説明および改定幅の理由開示
3．同品種の巻取と平判の非合理な価格差の解消
4．A3・微塗工印刷用紙への薄物格差導入などの施策による他品種との非合理な価格差の解消（代理店へは、「他品種との非合理な価格差の解消のため、メーカーに対するA3・微塗工印刷用紙への薄物格差導入などの要望の実施」）
5．印刷通販・大手直需先に対する公平な適用時期の実施
6．製紙メーカー各社取引代理店への、以上の要望事項の確固たる実施要請（代理店へは、「代理店各社の直需取引先に対しても、以上の要望事項に基づいた取引の完全実施」）
7．エンドユーザーへの告知のための積極的な広報活動の実施
8．需要に応じた適切な生産体制の構築
　日紙商では、一層高まるユーザーからの不信感を解消するためには、「健全で透明性かつ公平性のある価格体系の実現」が必須としており、修正理由の説得性のある説明と改定幅や実施時期の再検討の要請が寄せられているなどとして、製紙メーカー・代理店に前記要望事項の履行を求めている。
 

株式会社　紙業タイムス社　「Future12/5号」より