＝紙パの2021年3月期①＝

　紙パ関連各社の2021年3月期（2020年4月～21年3月）の決算発表が始まった。今号より順不同で紹介していく。以下、連結ベース、単位100万円、％表記は対前年度比、〈　〉内は前年度の実績値。

【紙加工】

■トーモク

〔2021年3月期〕

　売上高 175,647 （△0.5％）

　営業益 7,230 （＋4.6％）

　経常益 7,734 （＋8.8％）

　当期益 4,887 （＋7.1％）

〔22年3月期予想〕

　売上高 210,000 （＋19.6％）

　営業益 9,000 （＋24.5％）

　経常益 9,200 （＋18.9％）

　当期益 6,000 （＋22.8％）

○段ボール…売上高は△2.7％、営業利益は＋3.5％。飲料や加工食品向けの販売減で減収となったが、利益は生産性向上、原燃料コストや内部費用の削減により増益。

○住宅…売上高は＋8.4％、営業利益は＋23.9％。情報発信などのweb対応を強化し、新しい生活様式に対応する規格型プランを開発した結果、販売棟数が増加した。

○運輸倉庫…売上高は△4.0％、営業利益は△4.8％。運輸部門は新型コロナの影響で飲料関係の配送や拠点間の製品移動が大幅に減少し、減収。倉庫部門は北海道エリアの受託数が増加し増収。

■野崎印刷紙業

〔2021年3月期〕

　売上高 13,105 （△11.4％）

　営業益 87 （＋136.7％）

　経常益 123 （＋165.8％）

　当期益 80 〈△616〉

〔22年3月期予想〕

　売上高 13,400 （＋2.2％）

　営業益 95 （＋8.8％）

　経常益 114 （△7.8％）

　当期益 39 （△51.5％）

　外出自粛による巣ごもり需要の高まりから受注が増えた部門もあったが、生産活動の一部で生産調整や一時帰休が実施され、生産、出荷量が減少した。販売部門は、コロナ禍で十分な営業活動が行えないなど、経済活動の停滞から減収となった。利益は、業務プロセスのデジタル化、自動化の整備・強化を進めた結果、全段階で改善。

○商業印刷部門…売上高は△17.8％。イベントなどが中止・延期されて受注が停滞したほか、経費削減のためのカタログ制作中止、部数削減の影響を受けた。Go To キャンペーンも、大きな効果が見られないまま中止となり、また緊急事態宣言再発令と、需要の回復が見られなかった。

○包装資材・紙器、紙工品部門…売上高は△13.6％。紙器は、ビジネススタイルの変化、巣ごもり需要で増加したが、百貨店、贈答品を中心とした小売業の販売不振に加え、レジ袋有料化によりポリ袋関連が大きく減少したことや、手提げ紙袋についても有料化の動きが加速し、包装紙・紙袋類などの紙工品が大きく減少した。

○情報機器・サプライ品部門…売上高は△12.2％。タグ・ラベルはコロナの影響で需要が大幅に減少。

○その他…売上高は＋45.0％。

【紙流通】

■共同紙販ホールディングス

〔2021年3月期〕

　売上高 13,224 （△16.0％）

　営業益 4 （△97.1％）

　経常益 16 （△90.5％）

　当期益 39 （△61.9％）

〔22年3月期予想〕

　売上高 13,500 （＋2.1％）

　営業益 50 （－）

　経常益 70 （＋312.3％）

　当期益 50 （＋27.0％）

　売上高は、下期に若干持ち直しを見せたが、4Qに入り2度目の緊急事態宣言が発出されるなど、経済活動の停滞とともに印刷用紙需要も上期の落込みを埋めるに至らず、前年を大きく下回った。利益面は、物流子会社の利益改善や所有不動産および有価証券の売却益を計上したものの、売上高の減少影響を補えず大幅な減益となった。セグメント別の売上高は、洋紙卸売事業が△16.1％、不動産賃貸事業が△0.4％、物流事業が△15.4％。

 

株式会社　紙業タイムス社　「Future5/24号」より