王子ネピアと世界自然保護基金ジャパン(=WWFジャパン)はこのほど、国際的な森林認証制度FSCの普及促進に向けた啓発活動に関する提携で合意した。FSCの普及を目的とした商標ライセンス契約の締結は、家庭紙メーカーとして日本では初めて。
FSCは、環境・社会・経済的な側面から継続可能な森林管理を推進することを目的とした国際的な森林認証制度。王子ネピアは3つの品質(生活品質・環境品質・社会品質)を追求しており、特に環境品質に関しては、業界に先駆けて2011年からFSC認証紙を主要製品に採用している。今後は、王子ネピアの全FSC対象製品のパッケージに啓発ロゴマークを表示していくほか、WWFジャパンの協力のもと、環境省が提唱する6月の「環境月間」に合わせた啓発キャンペーンなどを展開する予定。ネピア製品を通じて、森を守るFSCを広くアピールしていく。
今回の提携に当たり、WWFジャパンの筒井隆司事務局長は次のように語っている。
「王子ネピアとの協働を大変嬉しく思う。WWFはFSCの発足以来、林産物が自然環境を守り、かつ地域住民や労働者の権利尊重といった社会的な配慮のもとで生産され、さらに認証ラベルをつけて木材・紙製品を流通させることにより、企業や消費者も“森を守るマーク(FSC)”の選択が可能となるよう世界中で活動してきた。日本では、FSCラベル付の製品が身の回りに増えつつあるものの、認知はまだ十分とは言えない。協働の普及活動により、環境や社会に配慮された製品を選ぶことが当たり前になるよう取り組んでいく」
また王子ネピアの清水紀暁社長は、「本提携を機にWWFジャパンと力を合わせ、FSCのさらなる理解浸透に努めていく」と語っている。
株式会社 紙業タイムス社 「Future4/3号」より