日本紙パルプ商事(=JP)のグループ会社で、ドイツを拠点にラベル基材、エレクトロニクス関連商品をはじめ、フィルム製品やケミカル、特殊紙などの機能性商材を販売しているJapan Pulp & Paper GmbHは、国際的なサステナビリティ評価機関であるEcoVadis社(フランス)による2023年の調査で、シルバーメダルを獲得した。
世界的なサステナビリティ意識の高まりに伴い、多くのグローバル企業がEcoVadisの評価を調達先選定基準の一つとして採用する動きが広がっている。EcoVadisは「環境」「労働と人権」「倫理」「持続可能な資材調達」の4分野で企業の方針・取組み・結果を評価しており、現在、世界175ヵ国、200業種におよぶ約10万社以上の企業が評価を獲得している。
近年、特に欧州企業ではサステナビリティに対する関心度が高まっており、評価機関からの評価取得はビジネス上大きな意義を持つ。Japan Pulp & Paper GmbHは取引先からの要望を受け、2022年に初めてEcoVadisのブロンズメダルを獲得。今回は、JPグループのサステナビリティ関連方針の整備などがさらに評価され、ワンランク上のシルバーメダルとなった。シルバーメダルは全EcoVadis登録企業の上位26%に入る。
雑がみを集めてTPにリサイクル
JPのグループ会社で再生家庭紙を製造するコアレックス信栄は、Jリーグ清水エスパルスの運営会社であるエスパルスと協業し、SDGs環境教育プログラム「雑紙を集めてトイレットペーパーにリサイクル!」を実施している。
同プログラムでは、エスパルスドリームフィールド(=SDF、フットサルコート)の駿東・富士・清水・静岡・藤枝の5施設で、家庭や職場、学校などで不要になった雑紙(ざつがみ)を回収してその回収量を競う「SDFエリア対抗雑紙回収CUP」を開催している。雑紙は紙繊維の分離が困難な難再生古紙として、一般的にはリサイクルされず焼却処分となるが、コアレックス信栄は独自技術によりトイレットペーパーにリサイクルし、各SDFで使用したり地域の公共施設に寄付している。
SDFエリア対抗雑紙回収CUPは今春初めて開催され、5施設合計で5,460kgの雑紙を回収した。これをゴミとして焼却処分したとすると、CO2排出量は約6,923kgとなり、一方トイレットペーパーにリサイクルした場合のCO2排出量は約2,670kg。削減できた約4,253kg(△61%)は、車で北海道から鹿児島を5往復するCO2排出量と同程度となる。次回の「SDFエリア対抗雑紙回収CUP」は、9月11日~10月10日に開催される予定。
株式会社 紙業タイムス社 「Future8/21号」より