第一工業製薬はこのほど、セルロースシングルナノファイバーからなる『レオクリスタ』の事業化を決定し、実証設備の建設を開始した。3月には完成の予定。『レオクリスタ』は、東京大学・磯貝教授らの協力を得て開発された新規増粘剤(1月20日号既報)。
『レオクリスタ』は、繊維幅が10nm未満のセルロースファイバーを制御した製品で、2013年12月に販売を開始した。経済産業省の「平成25年度先端省エネルギー等部素材開発事業」に採択されている。高い増粘効果と透明性を有し、油の乳化や無機微粉末の分散性を持ちながら、高粘度なゲル状にも関わらず液体のようにスプレー噴霧できる擬塑性を有する。
この特長を活かし発売以来、化粧品分野や塗料・インキ分野などを中心に新規増粘剤としてサンプルワークしていた。この市場調査により、機能を活かした用途の見通しが立ったため、本格製造設備への着工も視野に入れ、実証製造設備を建設するもの。建設場所は大潟事業所内(新潟県上越市大潟区犀潟230)。
株式会社 紙業タイムス社 「Future2/24号」より