物流ベンチャーの㈱Hacobu(ハコブ)が運営するトラック予約受付サービス MOVO Berth(ムーボ・バース)が、大分製紙/豊前工場の倉庫運営と運送を担う⑰花菱流通に導入された。
トラックドライバーの長時間労働が問題視される中、2019年4月から改正労働基準法が全産業を対象に施行され、トラックドライバーについては24年4月から時間外労働の罰則付き上限規制が導入される。ドライバーの年間残業時間は上限960時間の規制が設けられ、1日の残業時間は4時間に制限されることになる。
残業を制限しつつ運ぶ量を維持するには、トラックドライバーの業務効率化が急務だが、そこで常に指摘されるのがトラックの待機時間問題。現在、ドライバーの平均荷待ち時間は1運行当たり1時間45分(国交省調べ)で、このムダな時間が発生する原因は次の2点とされている。
・車両到着時間を決める商習慣がなく先着順のため、特定の時間にトラックが集中する
・先着順だと、来た車両に合わせて工場・物流センター側が荷物の入出荷準備をするため時間をロスする。特に製紙業界は人力での手積み手降ろしのため、作業時間がかかる
HacobuのMOVO Berthは、工場や物流センターに入場する運送会社が、トラックの荷積み荷降ろし時間をパソコンやスマホで事前予約するスケジュール管理システム。トラックの納入時間を分散することで待機問題を解消し、事前に荷量を把握することで物流センター内業務の段取りを効率化できる。花菱流通ではこれまで、トラック待機時間が常時20~30分発生しており、長い時は4時間になることもあったが、MOVO Berth導入後は、待機時間を5分に短縮できたという。
現在、MOVO Berthは300拠点以上で導入され、利用トラックドライバーは17万人を突破。トラックドライバーの約5人に1人が利用しており、“物流2024年問題”の対策として採用が広がっている。
株式会社 紙業タイムス社 「Future6/21号」より