日本製紙はこのほど、紙の製造技術と塗工技術を応用し、プラスチックフィルムを用いずにヒートシール性を付与した、“紙だけでパッケージができる"ヒートシール紙『ラミナ』を開発した。
海洋プラスチックごみ問題のクローズアップを背景に、再利用可能で生分解性を有する素材への需要が高まっており、特にパッケージ分野では、環境にやさしい素材として「紙」が見直されている。『ラミナ』は、バリア性を必要としないプラスチック製包材の代替が可能で、次のような特徴を持つ。
①基材が「紙」なので環境適合性に優れる
②ラミネート工程の省略化によりリードタイムを大幅に短縮。通常の包装用紙の製造工程は「印刷→ラミネート→エージング工程→スリット→出荷」となるが、ラミナを使用した場合は「印刷→スリット→出荷」で済む
③あらゆるパッケージに適用できるため、食品・化粧品・日用雑貨など、多岐用途で検討が可能
なお『ラミナ』は、幕張メッセで開催された「JAPAN PACK 2019 日本包装産業展」に出展された。日本製紙は将来的に、より環境負荷の低いヒートシール紙の開発を進めていく方針。
株式会社 紙業タイムス社 「Future11/18号」より