＝2024年3月期第1四半期③＝
　前号に続き、紙パ関連各社の2024年3月期第1四半期決算（23年4～6月）を紹介する。以下、連結ベース、単位100万円、％表記は対前年同期比、〈　〉内は前年同期の実績値。
【製紙】
■特種東海製紙
〔第1四半期〕
　売上高    20,558    （△2.4％）
　営業益    233    （△70.9％）
　経常益    1,394    （△19.1％）
　当期益    1,254    （△51.5％）
〔通期予想〕
　売上高    90,000    （＋7.0％）
　営業益     3,000    （＋82.8％）
　経常益     6,000    （＋47.8％）
　当期益     4,000    （△3.2％）
○産業素材事業…売上高△0.4％、営業利益△10.9％。物価高による買い控えなどにより、段ボール原紙とクラフト紙の販売量が減少。
○特殊素材事業…売上高△12.1％、営業損失△55百万円（前年同期比△588百万円）。特殊印刷用紙はFP販売の減少、特殊機能紙は海外向けの一部需要回復遅れにより、ともに減収。
○生活商品事業…売上高＋2.6％、営業利益＋147.3％。価格改定の浸透で増収増益。
○環境関連事業…売上高＋14.1％、営業損失△131百万円（前年同期比△33百万円）。トーエイホールディングス取得関連費用の発生などにより減益。
　通期予想は、5月公表の業績予想から変更なし。
【製紙関連】
■リンテック
〔第1四半期〕
　売上高    65,036    （△6.4％）
　営業益    1,358    （△74.8％）
　経常益    1,968    （△71.6％）
　当期益　1,100    （△78.7％）
〔通期予想〕
　売上高    290,000    （＋1.9％）
　営業益    13,500    （△2.1％）
　経常益    13,500    （△13.5％）
　当期益    9,500    （△17.5％）
○印刷材・産業工材関連…売上高＋6.2％、営業損失△202百万円（前年同期比△585百万円）。印刷・情報材事業は、シール・ラベル用粘着製品が国内で低調も海外は円安効果で増収となり、事業全体も増収。産業工材事業は国内外で自動車用粘着製品などが堅調で増収。
○電子・光学関連…売上高△28.4％、営業利益△60.8％。大型テレビやスマートフォン、パソコン用などの需要低迷で減収減益。
○洋紙・加工材関連…売上高△6.1％、営業損失△426百万円（前年同期比△399百万円）。洋紙事業部門は、カラー封筒用紙や学童向け色画用紙が堅調で増収。加工材事業部門は一般粘着製品用剥離紙、合成皮革用工程紙、炭素繊維複合材料用工程紙などが低調で減収。
　通期予想は、5月公表の業績予想から変更なし。
■巴川製紙所
〔第1四半期〕
　売上高     8,315    （△6.5％）
　営業益    432    （△43.2％）
　経常益    594    （△37.1％）
　当期益    341    （△70.3％）
〔通期予想〕
　売上高    36,000    （＋5.4％）
　営業益     1,500    （△26.9％）
　経常益     1,500    （△30.3％）
　当期益    600    （△58.7％）
　トナー事業の減収や原燃料高に加え、新製品立上げ費用の支出増もあり減収減益。また、前年は資産売却に伴う特別利益が発生していたこともあり、当期益は大幅減益。
○トナー事業…売上高△26.7％、セグメント利益△57.6％。在庫調整による受注減と価格競争で減収。これに原燃料高が加わり減益。
○半導体・ディスプレイ関連事業…売上高＋15.2％、セグメント利益＋2.2％。光学フィルムSBUが販売増。
○機能性シート事業…売上高＋1.0％、セグメント損失△2百万円（前年同期比＋26百万円）。紙加工SBUの堅調などにより売上微増。価格改定などにより赤字幅も縮小。
○セキュリティメディア事業…売上高＋19.0％、セグメント利益＋81.0％。通帳類や宣伝印刷物の受注増により増収増益。
○新規開発事業…売上高△37.8％、セグメント損失△128百万円（前年同期比△17百万円）。
○その他の事業…売上高＋47.3％、セグメント利益△1.3％。
　通期予想は、5月公表の業績予想から変更なし。
 

株式会社　紙業タイムス社　「Future9/11号」より