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海外情報

2025/12/01

紙類紙類海外動向レポート2025年第9号 2025年12月

海外情報トピックス

Sappi/UPMの軽量中質コート生産削減について(年内に一部生産を停止)
Sappi EuropeとUPMは、フィンランドの一部工場の中質軽量コート紙の生産停止を決定した。
デジタル化の進展により印刷物の需要が低迷し、業界全体で構造的な需要が減少していることが背景にある。
-Sappi Europeの動向:
フィンランドのKirkmiemi工場では2号機の生産を年内に停止する。
年間生産能力が約17.5万トン減少、工場全体の生産能力は57.5万トンに減少する。
93名の従業員が解雇となり、同品種の生産は1号機と3号機に振り分けられる。
競争力の強化が目的。
-UPMの動向:
UPMは、フィンランド南東部のKaukas工場での生産を年内に永続停止とする。
年間30万トンの生産能力が減少、約220名の従業員が影響を受ける。年間3200万ユーロの固定費が削減される。
雑誌印刷需要の低迷が背景。
欧州の雑誌用紙の需要は、前年比で11%減少し、同社の印刷情報用紙部門の売上高も14.5%減少。
生産はRauma工場や英国、ドイツの工場に集約されるものの、依然世界最大級の生産規模を維持している。

両社の生産停止は、需要低下に対応し競争力を維持・向上させる戦略の一環で、市場の変化に対応、
生産能力を調整することにより、固定費削減し生産の効率化を図るものである。

中国;古紙パルプ等輸入貨物への規制を強化
中国政府当局は、古紙パルプ等の輸入貨物に対する品質規制を突然強化し、
輸入業者及び海外のサプライヤーなどの関係者に、不安と動揺を与えている。
規制は既に10月以降実行に移されており、特に乾式粉砕によって生産された古紙パルプに付き適用される。
規制対象の当該品を積載した、すべてのコンテナからサンプルを採取し、
研究所などにおいて微生物(バクテリア、カビキノコ類)の残存の有無を検査する。
研究所での検査結果判明には4-6週間要するといわれる。
その間は、通関等輸入手続きの一切が保留となることから、輸入業者の間では、
今後コンテナの超過費用等の発生が懸念されている。
昨年2024年の中国への古紙パルプの輸入量はおよそ265万㌧。
最大の輸入国タイからは、そのうち156万㌧(58.7%)に及び、そのほとんどが乾式製造方式である。
中国は2021年初から導入された古紙輸入の完全禁止措置以来、大手板紙メーカー中心に、
東南アジア各地で再生古紙パルプの生産を増大させてきたが、今回の規制強化により、
東南アジアへの古紙の供給の流れ、価格に大きな影響が出てくることが懸念される。
アジア市場での段ボール古紙(OCC)の主要供給先である米国への発注にも、既にキャンセル、
また今後の購買も暫く控えるなどの動きが出始めており、一部洋上にあるAOCCが投げ売りされ、
一部の仕向地及び米国国内市場では、価格の急落が見られるようになっている。
この動きが続けば、米国産の古紙価格には下落のみならず、
品質分別の低下を招き、品質の劣化の発現の可能性もある。

中国;ナインドラゴンの木材パルプ増産の動きについて(まとめ)
中国の紙板紙メーカーであるナインドラゴン(Nine Dragons)の木材パルプの増産計画について;
中国最大の紙板紙メーカーナインドラゴン(Nine Dragons)は、今後2027年第1四半期までに、
約200万㌧程度の木材パルプを増産する計画を明らかにした。
計画は天津工場(50万㌧、2026年第4四半期稼働予定)、重慶工場(75万㌧)、
北海工場(広西チワン族自治区、80万㌧、2027年第1四半期)。
依然として続いているバージンパルプ系の紙・板紙(非塗工上質紙、コートアイボリー等)の増産、
及び段原紙生産の原料としての対応で、原料の供給を、
これまでの輸入から国内での生産・供給体制へ整える方向へと舵を切っている模様。 

特に段原紙については、2021年初以降実施された古紙の全面的輸入の禁止で、原材料の確保や補完の必要から、
東南アジア各地へ再生パルプの生産拠点を構える動きとなっていたが、この10月以降中国政府当局は、
古紙パルプ等の輸入貨物に品質規制を強化しており(上述)、今後の原材料の供給体制に、
再び不透明感が出始めた最中での大手メーカーによる動きとなった。

輸入規制の強化: 中国政府は、2021年初以降、古紙の全面的な輸入禁止や品質規制の強化を行っており、
この政策変更により、原材料の確保に対する不確定要素が増し、国内での原料供給能力を強化する必要性が出てきた。

国内供給体制への移行:今まで中国の製紙業界は、大部分の原材料を輸入に頼ってきたが、
輸入依存度を減少させるため、国内での生産にシフトする動きが強まった。

地域の生産拠点の拡充:ナインドラゴンは天津、重慶、広西チワン族自治区の北海などで木材パルプ製造能力を増強している。
これらの地域に新たな生産拠点を設け、これまでより輸送コストの削減や地域経済への貢献が期待できる。

国際市況への対応: 国際的な紙板紙市場の低迷や需要の変動に対応するため、国内での一貫生産体制の強化を志向した。
国内生産の拡大により、低コストでの生産が可能になり、競争力を強化することができる。

環境規制の影響: 環境保護の観点からも、国内での原材料生産を増やすことで、
輸送時に生じる環境負荷を減少させることができる。
また、より環境に配慮した製造プロセスを導入することで、持続可能な生産が可能となる。

これらの要因が、中国における木材パルプ増産の背景として挙げられる。
国内での原料供給能力を強化することで、業界の安定性を高め、環境への影響を低減しつつ、
国際市場での競争力を向上させることを目指している。

メキシコ政府;中国産輸入箱用板紙に対しアンチダンピング暫定課税を実行
メキシコ政府は、中国から輸入される箱用板紙(白板紙)に対して、
アンチダンピングの暫定課税を実行することを決定した。
これは、国内の段原紙メーカーであるProductora de PapelとCartones Ponderosaによる申立てを受けたもので、
中国メーカーには1トンあたり370.2ドルのダンピング課税が課されることとなる。

この措置の背景には、中国産箱用板紙が廉価で大量に輸入されていることがある。
メキシコの通関統計によると、昨年度の箱用板紙の輸入量は128万トンで、
そのうち約40%の50万トンが中国から輸入されたものである。
この状況が国内産業に悪影響を及ぼす可能性を懸念し、
メキシコ政府は2025年2月にすべての輸出国を対象に調査を開始する意向を示唆していた。
しかし、情報筋によれば、調査は主に中国を対象としてものであった。

この暫定課税の目的は、不公正な輸入によって国内産業が被害を受けることを防ぐことである。
政府は、適時に適切な対策を講じることによって、国内企業の保護と公正な市場競争を確保する方針である。
したがって、今回の決定はメキシコの産業を守り、健全な市場環境を維持するための重要なステップとなる。


北米市況(11月度)

[新聞用紙]
1-9月累計の北米需要は(前年比▲15.9%)、昨年の減少率(▲14%)を上回るペースで進行中。
最大メーカーのDomtarはGrenada工場(▲23万㌧)を9月に生産停止した。
他にも数社が一時的な休止を一斉に行ない、供給はタイトとなっている。
11月以降で$50の値上げを発表した。

[上質紙]
輸入関税の発動を前に、ブラジル等からの輸入は増加したが、8月以降輸入は急速に減少している。
一方北米メーカーの荷動きは堅調で、
IP(Georgetown)/Pixelle(Chillicothe)の生産削減により供給はタイトとなった。
市況は概ね堅調だが、年前半に積み上がった在庫が十分にあり、
北米メーカーは市況に未だ慎重な姿勢を崩していない。
北米メーカーは積極的に値上げの意向を示しておらず、
静観して輸入品メーカーに対し圧力をかけている。

[コート紙]
雑誌印刷・広告需要が景気の低迷から依然として振るわない状況が続いている。
相互関税の発動で、市場の先行き懸念が再燃して、輸入紙の手当ては更に減少した。
欧州・韓国等中心の輸入紙メーカーは7-15%、北米のメーカーも3-5%の価格修正を発表したが、
印刷加工のユーザー等への価格転嫁は現時点で進んでおらず、
値上げの進捗が市場に表れるのは、早くても年明けになると予想される。

[中質紙]
2Q以降は1Qで積み上がった在庫の調整が目立ち、1-9月累計の需要は、
前年からのマイナス幅が、6月時点よりも広がっている。
輸入への依存度は相対的に低く、需要の低迷に伴い、北米メーカーの稼働率自体も上がっていない。
今後は欧州を中心とする輸入紙から北米品へのシフトも予想されるものの、
需要は依然として低迷していることから、需給バランスを計りながら、
生産削減が続けられていくことになろう。

[段原紙]
3Qの米国段ボールの実出荷数量は、前年同期比▲1.4%となり幾分回復してはいるものの、
3Qまでの累計では同▲2.0%となり、依然として低調に推移している。
今後年末需要の盛り上がりが期待されるが、本年度の実出荷は同▲1.4-2.0%と予想され、
これは2015年以来の低水準となる見込みである。
今年2月以降9月までに、IP、
Smurfit Westrockなど主要メーカーが合計340万㌧(全生産能力の9%)の大幅な生産削減を行なった。
生産環境は急速に引き締まりを見せており、来年度にかけて堅調な市況で推移することが期待される。


欧州市況(11月度)

[新聞用紙]新聞用紙価格は、一部で値引き取引が見られるが、
英・仏など主要市場では概ね安定で推移した。
供給過剰と生産コストの圧力で、欧州のサプライヤーは苦戦が続いている。
カナダからの売り攻勢は、北米メーカーの生産削減から、このところ弱まってきている。

[中質系印刷用紙]
4Qの印刷用紙価格は広く下落となった。
LWCは英国市場で、案件毎の価格見直しが行われた。
SC紙の供給過剰は特に著しく、契約途中でも一部価格の見直しが見られる。
このような状況でKabel Premium、UPM/Kaukas、Sappi/Kirkniemi等、
12月までに計92万㌧が生産停止となる(中質紙生産能力の約25%)。

[非塗工上質紙]
10月の価格は一層下方圧力が強まった。
印刷・コピーのいずれの用途も需要低迷・供給過剰で、4Q突入を機に▲€30-40程度下落となった。
パルプ価格(LBKP)の上昇で、サプライヤーは採算の悪化が懸念される。

[塗工紙]
同様に塗工紙も、需要の低迷と供給過剰で苦戦しているが、
今夏は上質紙ほどユーザーの要求に敏感に対応しなかったため、
逆に激しい価格競争からは逃れることができた。
これによりサプライヤーは、4Qの価格交渉は幾分強気な姿勢で臨んでいる。

[段原紙]
TLBは、大手メーカーが10月に突如打ち出していた€130-の値上げは全く受け入れられず、
再度値上げを窺う様子も見られるが、今年は新マシンの稼働が続いており、
少なくとも来年度初めまでは、価格修正は難しいと考えられる。
KLBはTLBの価格動向次第であるが、ユーザーのKLB離れ、北米品の流入は続いており、
状況の会以前は更に厳しくなっている。


中国・香港・東南アジア市況(10月度)

[印刷用紙]
中国市場では、10月度のコート紙および上質紙の価格が続落した。
出版関連の入札遅れや需要の低迷が原因だが、在庫レベルも依然高水準であることも要因である。
しかし、11月以降は出版入札が開始され、メーカーもパルプ価格の上昇を背景に値上げを行なっており、
市場価格には反転の可能性も出てきた。
但し、供給過剰は依然解消されておらず、メーカーの意向通り値上げができた場合も、
その値上げ幅は極めて限定的と予想される。
12月になると年末の駆け込み需要と、販売店の在庫調整を目的とした値引き販売が見込まれ、
価格は再び下落の可能性がある。
1月までの価格動向は非常に不安定で、反発と下落が交錯し、一定の方向が望めない局面が続くと見られる。

香港市場では、中国の主要メーカーが11月以降注文の分に対し、$30⁻の値上げを発表した。
パルプ価格の上昇、秋需の影響が要因として挙げられるが、実需には回復の力強さが見受けられず、
大幅な値上げは期待できないとの見方が多い。
コート紙も値上げがアナウンスされたが、生産調整を継続しながら値上げの環境が整うのを待つことを余儀なくされている。
旧正月を控え、香港市場では今後荷動きは鈍化が見込まれ、値上げはやはり限定的なものとなることが予想される。
      
[板紙]
中国市場の10月の段原紙は、夏以降の原料古紙価格の高騰と、10月になって突如導入された、
再生パルプの品質規制による供給懸念から、原紙の価格は急騰している。
川下の段ボール加工会社は、更なる原紙価格の値上がりを懸念し、先物買いを集中的に進め、
在庫の積み増しを行なった。
原紙メーカーの在庫も減少し、メーカーは価格攻勢を強めている。
11月は原料コストの高止まりと在庫の更なる減少で、大手メーカー中心に、
値上げの意向は依然強く、原紙価格は更なる上昇が見込まれる状況である。


【統計】9月「出荷・輸出入・国内需要状況」(日本)
2025年9月の紙・板紙合計輸出は15万5,335トン(前年比1.2%減)、輸入は6万4,576トン(同4.6%減)となった。
国内需要は156万2,989トン(前年比0.1%増)となった。
板紙が内需増に寄与した。


【統計】9月 中国紙・板紙輸出入
2025年9月の中国紙・板紙合計輸出は65万8,079トンで前年同月比5.6%増となった。
同輸入は69万4,636トン(同12.0%減)となった。
段ボール原紙の輸入が大幅に落ち込んだ。

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