ユポ・コーポレーションは、バイオマス樹脂を原料に配合した『ユポグリーン』の厚手タイプ「FEBG 300」を、3月1日から販売開始した。

　耐水性・耐久性に優れた特徴を持つ合成紙『ユポ』は、石油由来のポリプロピレン樹脂と無機充填剤を主原料とするが、『ユポグリーン』は石油由来樹脂の代わりに“オレフィン系のバイオマス樹脂”を一部配合している。

　今回新発売された「FEBG 300」は、同社の代表製品『ウルトラユポ』の厚手タイプ「FEBA 300」に、サトウキビなどの植物を原料とするバイオマス樹脂を配合したもの。用途としてはメニュー、カタログ、POP、名刺といった厚みの求められる商業印刷分野を想定している。

　『ユポ』は森林資源の保全を目的として開発され、1972年に上市された。『ユポグリーン』は、『ユポ』の「森林資源保全」の思想を一歩進めた環境配慮型の合成紙であり、今年5月に創立50周年を迎える同社は、『ユポグリーン』を100年企業に向けた戦略製品の一つに位置付けている。今後は、『ウルトラユポ』のほかの厚みや『スーパーユポ』、『アクアユポ』にもバイオマス樹脂を配合する予定で、2020年度に『ユポグリーン』シリーズ国内合計で年間2,000tの販売を目指す。さらに、商業印刷分野だけでなくラベル用途向けも展開し、22年度には国内販売5,000t（鹿島工場の年間生産量の約20%に相当）を目指す。将来的にはグローバルにも展開し、すべての従来製品をバイオマス樹脂配合の『ユポグリーン』シリーズに切り替える考え。

 

株式会社　紙業タイムス社　「Future3/18号」より