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紙の業界ニュース

2019/01/23

=話題の本=『ペーパレス時代の紙の価値を知る』

 『ペーパレス時代の紙の価値を知る~読み書きメディアの認知科学』と題した興味深い書籍が話題になっている(産業能率大学出版部、2,800円+税)。著者の2人はともに富士ゼロックスに勤務する傍ら、柴田博仁氏は研究者として認知科学分野で、大村賢悟氏は認知心理学の分野で、それぞれ大学の講師を務めるなど活躍している。
 本書のコンセプトは「紙での読み書きの素晴らしさ」を解き明かすというもの。電子メディアの普及に伴い、紙メディアのこれからが注目される中、本書は紙の価値を「読み書き」の観点から認知科学的に解明しようとするものだ。
 全10章の構成で、主な項目としては、「デジタル時代の読み書き」、「さまざまな表示メディアとその特性」、「紙の読みやすさ・ディスプレイの読みづらさ」、「読みへの表示品質・操作性」、「読書への集中」、「手書き・手描きの効果」などを取り上げている。後半の「メディアと環境」では、紙と電子メディア、CO2排出はどちらが多いのかといった環境問題にまで言及している。
 本書によると、まず「読む」という点において、紙は文章の内容を深読みする、理解度を高めるといった利点がある。一方、電子メディアは文字の検索や情報を閲覧するには有利という。しかし、電子メディアは使用するディスプレイにさまざまなリンク先が張られ、それが集中度を阻害するほか、目次や参考ページを確認するなどの“ページめくり”は、紙には及ばない。また、図版の多い内容では紙のほうが有利だと語っている。
 一方、書くことに関しては、ワープロやWORDといった文書作成ソフト、あるいは電子的な描画ツールなどの出現により、電子メディアは便利で簡単に作業できるという利点を得た。しかし、第7章「手書き・手描きの効果」では、米国プリンストン大やUCLAで行った実験結果を紹介。これによると、ノートPCでメモをとった人は、タイプマシン化して概念の理解がおろそかになる、自分の言葉で表現できないなどの結果が出たという。
 紙と電子メディアの比較論を語る類書は数多くあるなか、本書は心理学的な実験手法をもとに、できるだけ定量的かつ科学的な数値とデータにより、紙と電子メディアの違いを明らかにしようと試みている。
 なお著者の1人である柴田氏は、弊社が2015年に刊行した書籍『紙パルプ2020有識者が語る近未来』の中でも健筆を振るっておられるので、手っ取り早く要旨を知りたいという方は、まずそちらからアプローチしてもよいかもしれない。いずれにしても紙の仕事に携わる人なら、ぜひ読んでおいてほしい。
 
株式会社 紙業タイムス社 「Future1/21号」より
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