FSCジャパンが普及活動を進めるFSC森林認証に取り組む岩手県と宮城県の５つの地域が、共同で森を守り育てることを目的としたネットワーク「5TreesNet」をスタートした。1月31日に東京ビッグサイトで開催された「ウッドコレクション2023」でその取組みを説明するなど、認知活動にも力を入れている。
　5TreesNetは、岩手県の岩泉町（岩泉町森林認証グループ管理会）、大槌町（釜石地方森林管理協議会）、住田町（住田町森林認証グループ）、宮城県の南三陸町（南三陸森林管理協議会）、登米市（登米市森林管理協議会）の5地域で構成され、活動のポイントは次の二つ。
①世界的な森林認証制度であるFSCマークによる森づくり
②互いのサプライチェーンを活用し、FSC認証材の安定した供給を通して持続可能な森林の増加を目指す
■5TreesNet各地域について
【岩泉町】▽認証林面積：6,305ha（公有林5,070ha、私有林1,235ha）▽2003 年認証取得▽町有林を中心にグループ認証で取得。約６割が広葉樹で、針葉樹の中心は赤松。「あしたの恵み、岩泉。」をキャッチコピーに、町内事業者と連携して国産広葉樹×FSC 森林認証で新たな価値創造に挑戦中。
【大槌町】▽認証林面積：856ha（公有林856ha）▽2021 年認証取得▽認証林は町有林で約5割が広葉樹。その範囲は三陸海岸から北上高地に渡り、フォレストック認定も受けている。木材生産を行いながら、地域の「経済、環境保全と共生と安心、安全」を保持する森林管理を目指している。
【住田町】▽認証林面積：14,116ha（公有林8,861ha、私有林5,255ha）▽2004 年認証取得▽住田町は、気仙スギの産地、またアユの釣場として有名な気仙川の上流に位置。自然環境との調和、持続可能な森林経営を基本理念に掲げ、主にスギ・カラマツなどの針葉樹材を生産する。
【南三陸町】▽認証林面積：2,481ha（公有林1,766ha、私有林715ha）▽2015 年認証取得▽FSC 認証基準をベースに森林経営と管理を日々高め、自然資本の多面的な価値を発揮しながら「持続可能な森林経営・管理」の実現を目指している。
【登米市】▽認証林面積：9,162ha（公有林2,915ha、私有林6,247ha）▽2016 年認証取得▽市内民有林の45%を認証林として管理し、市内から産出されるすべての認証材の流通を一元的に管理して安定供給とトレーサビリティの確保を行っている。
 

株式会社　紙業タイムス社　「Future2/20号」より