王子ホールディングスはこのほど、バリア性紙素材『SILBIO BARRIER』(シルビオ バリア)のサンプル提供を開始する。
王子グループは、イノベーション推進本部パッケージング推進センターを中心に、プラスチックに代わる、さらなる機能を備えた紙素材の開発を進めている。『SILBIO BARRIER』は、同社の水系塗工技術を用いて紙にバリアコート層を付与し、紙素材でありながら外部からの酸素や水蒸気などの侵入を防ぐ。これにより、内容物の劣化を抑えるほか、内容物の香りや水分を保つ。また、必要に応じてシーラント層を付与することもできる。
高い酸素バリア性と水蒸気バリア性によって、バリアフィルムの代替として使用でき、再離解性(再度パルプへ戻る性能)もあるため、古紙としても再利用可能。製品名の『SILBIO』は、ラテン語で森を意味する“SILVA”と、バイオマスから化学製品や燃料などを製造することを意味する“BIOREFINERY”を組み合わせて名付けた。
同社では、食品から産業資材まで、バリア性が求められる幅広い包装用途に使用できるよう原材料を厳選して設計しており、食品接触用途では、日本製紙連合会の自主基準に沿って開発を進めている。さらに、アメリカ食品医薬局の使用認可リストに収載された物資のみを使用した銘柄も準備している。
株式会社 紙業タイムス社 「Future5/20号」より