＝2024年3月期第2四半期④＝
前号に続き、紙パ関連各社の2024年3月期第2四半期決算（23年4～9月）を紹介する。以下、連結ベース、単位100万円、％表記は対前年同期比、〈 〉内は前年同期の実績値。
【製紙】
■中越パルプ工業
〔第2四半期〕
売上高 52,493 （＋6.5％）
営業益 3,304 （＋119.9％）
経常益 3,794 （＋49.2％）
当期益 2,569 （＋44.4％）
〔通期予想〕
売上高 106,000 （＋0.3％）
営業益 4,800 （＋85.0％）
経常益 5,500 （＋61.9％）
当期益 3,600 （＋18.0％）
販売量は減少したが、昨年来の価格改定により増収。利益面は、価格改定のほか減産下での効率操業やエネルギーコスト低減により、増益となった。
○紙・パルプ製造事業…売上高＋8.0％、営業利益＋201.9％。新聞用紙は、販売量は減少したが金額は増加。印刷用紙は、経済活動は正常化したもののデジタル化の進行で数量的には減少。輸出は、東南アジアを中心とした需要減退と海外メーカーの販売攻勢により販売量が減少したが、金額は増加。○発電事業…売上高△1.0％、営業利益△38.6％。燃料価格の高騰などにより減益。
○その他…売上高△0.1％、営業利益110百万円（前年同期比＋148百万円）。設備設計施工関連事業などの受注増に加え、人件費などの経費低減もあり黒字転換。
通期予想は前回予想を修正した。修正額（単位：百万円）は、売上高△3,000、営業益＋1,600、経常益＋1,900、当期益＋1,000。販売価格の上振れや原燃料コストの低減により2Q業績が前回予想を上回ったこと、また下期の見通しを踏まえて修正した。中間配当も、前回予想の1株当たり25円から増配し30円とした。期末予想も25円から30円に変更しており、年間では10円増配の60円となる予定（前年度実績は50円）。
■阿波製紙
〔第2四半期〕
売上高 8,253 （△0.2％）
営業益 95 （△35.9％）
経常益 72 （△52.8％）
当期益 68 （△50.2％）
〔通期予想〕
売上高 18,300 （＋5.7％）
営業益 480 （＋27.6％）
経常益 430 （＋28.3％）
当期益 260 （＋7.1％）
2Qは、主に原材料価格上昇の影響を大きく受けた。品目別の売上高は、自動車関連資材が3,928百万円（△5.0％）、水処理関連資材3,724百万円（＋8.3％）、一般産業用資材600百万円（△13.7％）。中国経済の低迷で自動車関連部品の需要回復速度が鈍化、また中国の不動産市況悪化により、建設・産業機械向けの需要が低迷した。一方、水処理用分離膜は海水淡水化プラント用途に加え、工業用プロセス水製造装置用途、廃水処理用途の増加により堅調。
通期予想は、5月公表の業績予想から変更なし。
【紙流通】
■日本紙パルプ商事
〔第2四半期〕
売上収益 271,375 （＋1.9％）
営業益 8,867 （△7.0％）
経常益 8,909 （△13.3％）
当期益 5,324 （△70.1％）
〔通期予想〕
営業益 18,000 （△11.2％）
経常益 17,000 （△19.9％）
当期益 11,000 （△56.7％）
当期益の大幅減益は、前年同期には固定資産の売却益があったことなどによる。
○国内卸売…売上収益＋9.3％、経常利益＋40.5％。価格修正により増収増益。紙の販売量は減少、板紙は白板紙が増加したが段ボール原紙が減少して全体でも減少。半導体を含むエレクトロニクス関連の機能材料は増加。
○海外卸売…売上収益△3.3％、経常利益△61.0％。特に米国で在庫調整などにより販売量が落ち込んだ。日本からの輸出も中国や東南アジアの需要減で減少。利益は、人件費や支払利息の増加も影響。
○製紙加工…売上収益＋12.5％、経常利益＋67.4％。価格修正とコストダウンにより増収増益。
○環境原材料…売上収益△8.6％、経常利益△20.0％。国内、米国ともに古紙発生量の減少が継続し、古紙事業の販売量が減少。
○不動産賃貸…売上収益△9.5％、経常利益＋24.6％。
通期予想は、5月公表の業績予想から変更なし。
■平和紙業
〔第2四半期〕
売上高 7,787 （＋1.0％）
営業益 51 （＋69.6％）
経常益 84 （＋68.6％）
当期益 36 （△95.2％）
〔通期予想〕
売上高 17,000 （＋5.8％）
営業益 122 （△11.8％）
経常益 196 （＋2.0％）
当期益 137 （△84.3％）
販売量は減少したが、販売単価が上昇して売上高は増加。当期益の大幅減は、前年同期には固定資産売却益11億33百万円の計上があったため。
○和洋紙卸売業…構造的な需要減と価格改定の影響で販売量は減少したが、ファインボードと高級印刷紙の堅調により、売上高は＋0.9％、営業利益は＋71.1％。品種別の売上高は次の通り。ファンシーペーパーは商業印刷物や紙袋用途が減少して△1.5％。ファインボードは菓子食品・化粧品などの高級パッケージ向けが回復し＋12.7％。高級印刷紙は商印用途が安定し、出版物や紙製品用途が増加して＋3.7％。ベーシックペーパーは商業印刷物、紙製品用途、東アジア向け輸出が減少して△0.4％。技術紙は偽造防止用途が減少し△1.6％。その他（家庭紙、紙加工品、製紙関連資材等）は△16.3％。
○不動産賃貸業…売上高＋0.7％、営業利益＋1.3％。
通期予想は、5月公表の業績予想から変更なし。
【紙加工】
■トーモク
〔第2四半期〕
売上高 102,367 （△3.0％）
営業益 3,103 （＋9.2％）
経常益 3,559 （△2.3％）
当期益 2,217 （△6.4％）
〔通期予想〕
売上高 235,000 （＋10.4％）
営業益 11,500 （＋54.3％）
経常益 11,600 （＋45.3％）
当期益 7,700 （＋46.6％）
■ナカバヤシ
〔第2四半期〕
売上高 28,334 （＋0.3％）
営業益 △371 〈△158〉
経常益 7 〈151〉
当期益 218 〈△132〉
〔通期予想〕
売上高 65,000 （＋5.6％）
営業益 2,550 （＋459.3％）
経常益 3,000 （＋219.4％）
当期益 1,700 〈△666〉
■スーパーバッグ
〔第2四半期〕
売上高 12,490 （＋5.5％）
営業益 380 〈△64〉
経常益 403 〈△60〉
当期益 323 〈△83〉
〔通期予想〕
売上高 26,800 （＋6.1％）
営業益 950 （＋111.1％）
経常益 990 （＋109.7％）
当期益 740 （＋56.4％）
■昭和パックス
〔第2四半期〕
売上高 10,983 （△6.4％）
営業益 483 （△24.2％）
経常益 600 （△20.6％）
当期益 447 （△15.6％）
〔通期予想〕
売上高 23,800 （＋6.8％）
営業益 950 （△14.8％）
経常益 1,130 （△16.3％）
当期益 770 （△18.8％）
■大石産業
〔第2四半期〕
売上高 10,811 （＋0.7％）
営業益 566 （△20.3％）
経常益 717 （△19.5％）
当期益 608 （△3.5％）
〔通期予想〕
売上高 22,500 （＋3.3％）
営業益 1,200 （＋6.6％）
経常益 1,500 （＋7.3％）
当期益 1,100 （＋21.8％）
■ニッポン高度紙工業
〔第2四半期〕
売上高 7,791 （△13.4％）
営業益 1,267 （△34.3％）
経常益 1,523 （△34.2％）
当期益 1,099 （△31.6％）
〔通期予想〕
売上高 16,000 （△9.0％）
営業益 2,500 （△24.9％）
経常益 2,700 （△23.6％）
当期益 1,900 （△23.0％）
■野崎印刷紙業
〔第2四半期〕
売上高 6,772 （＋6.5％）
営業益 226 （＋90.4％）
経常益 248 （＋81.6％）
当期益 184 （＋109.2％）
〔通期予想〕
売上高 13,800 （＋2.7％）
営業益 340 （＋2.1％）
経常益 380 （＋1.4％）
当期益 260 （＋2.6％）
■ハビックス
〔第2四半期〕
売上高 6,537 （＋13.9％）
営業益 260 （＋483.8％）
経常益 358 （＋170.4％）
当期益 276 （＋95.9％）
〔通期予想〕
売上高 13,000 （＋7.6％）
営業益 550 〈△92〉
経常益 550 〈△25〉
当期益 350 （＋572.0％）
■中央紙器工業
〔第2四半期〕
売上高 5,715 （＋5.6％）
営業益 260 （△2.0％）
経常益 290 （△9.6％）
当期益 406 （＋87.8％）
〔通期予想〕
売上高 12,350 （＋8.9％）
営業益 550 （△13.5％）
経常益 620 （△15.1％）
当期益 609 （＋22.9％）
■大村紙業（非連結）
〔第2四半期〕
売上高 2,806 （＋6.3％）
営業益 171 （＋1.9％）
経常益 175 （＋4.4％）
当期益 115 （＋3.8％）
〔通期予想〕
売上高 6,221 （＋14.7％）
営業益 301 （＋12.2％）
経常益 300 （＋10.8％）
当期益 210 （＋701.1％）
株式会社 紙業タイムス社 「Future12/11号」より
