日本製紙連合会は、6月のパルプ・パルプ材速報と5月の古紙需給統計を発表した。％表記は、特に記載がない限り、正体が前年同月比、斜体が19年同月比。

■パルプ速報（6月）

　製紙パルプ生産量は、前年が大幅減だったため＋27.4％の56.2万tと、3ヵ月連続の増加となったが、2019年比は△12.9％。このうちBKPは＋31.0％の44.7万tで3ヵ月連続増（△13.1％）、UKPは＋6.6％の7.1万tで4ヵ月連続増（△13.5％）。

　製紙パルプ販売は＋24.6％の7.4万tで10ヵ月連続の増加（＋6.2％）。BKPは、国内販売と輸出が低調だった前年の反動でプラスとなり、＋30.5％の5.6万tと9ヵ月連続の増加。UKPも前年の反動で＋6.0％の1.6万tと2ヵ月連続の増加。在庫は前月比＋4.9％の14.4万tで2ヵ月ぶりの増加、前年同月比は△17.1％で5ヵ月連続の減少、19年比は＋1.4％。このうちBKPは前月比＋7.4％の10.1万tで2ヵ月ぶりの増加、前年同月比は△25.8％で5ヵ月連続の減少。UKPは前月比△0.3％の3.6万tで2ヵ月連続減、前年同月比は＋19.2％で4ヵ月連続増。

■パルプ材速報（6月）

　パルプ材消費は、パルプの生産増を受け、また前年同月が低水準だったため、＋29.8％の106.1万tとなり、3ヵ月連続の増加（△11.5％）。うち針葉樹は＋28.2％の34.0万t（△5.2％）、広葉樹は＋30.5％の72.1万t（△14.2％）で、いずれも3ヵ月連続の増加。

　集荷は、＋24.1％の110.4万tで2ヵ月連続の増加となったが、19年比は△15.9％。このうち、国産は＋11.6％の35.9万tで2ヵ月連続の増加。国産の内訳は、針葉樹が＋12.9％の27.3万t、広葉樹は＋7.6％の8.6万tで18ヵ月ぶりの増加。輸入は、＋31.3％の74.5万tで4ヵ月連続の増加となったが、前月比は3ヵ月連続の減少。消費の低迷を受け慎重な集荷となっている。輸入の内訳は、針葉樹が△2.2％の12.3万tで4ヵ月ぶりの減少、広葉樹は＋40.8％の62.2万t。

　在庫は、前月比＋4.2万tの147.2万tで2ヵ月連続の増加となったが、前年同月比は△24.2％、19年比で見ても△22.0％と低い水準。維持月数は消費の低下が影響し、前月から0.1ポイント上昇して1.3ヵ月となった。

■古紙需給（5月）

　古紙入荷は＋5.6％の130.6万tで3ヵ月連続の増加。うち新聞古紙は＋10.0％の20.0万tで22ヵ月ぶりの増加、段ボール古紙は＋6.7％の74.6万tで9ヵ月連続増。

　消費は、＋8.2％の136.0万tで2ヵ月連続の増加。上級古紙（△2.5％）はマイナスだったが、段ボール古紙（＋9.5％）と雑誌古紙（＋2.7％）が板紙向けを中心に増加したことに加え、新聞古紙（＋17.0％）の紙向け消費が前年の反動で増加したことが寄与した。在庫は前月比△8.4％、前年同月比△14.0％の57.6万t。輸出は、△19.0％の23.8万tで8ヵ月連続減。

 

株式会社　紙業タイムス社　「Future9/6号」より