凸版印刷は、独・アルンスベルク市に本社を置くWrede Industrieholding GmbH & Co. KG（＝WREDE）の100％子会社で、建装材印刷事業を展開するInterprint GmbH（＝INTERPRINT）を100％子会社化する。買収手続きは12月までに完了する予定で、これにより凸版印刷は、建装材印刷分野で世界有数の企業となる。

　凸版印刷は海外売上高比率30％を目指し、さまざまな分野でグローバルな事業展開を加速させている。建装材事業については1956年から日本国内で事業をスタートし、70年代からは海外にも営業拠点を設置。高機能技術開発力とデザイン開発力を武器に事業のグローバル化を図ってきた。米国では、88年に自社の建装材印刷工場Toppan Interamerica Inc.を設立、また2017年には欧州初の製造拠点Decotec Printing S.A.（スペイン）を買収し、海外での製造・販売体制を強化してきた。

　一方、69年創業のINTERPRINTは、独のアルンスベルク市に本社を置く世界有数の建装材印刷メーカーで、約1,300人の従業員と、独、米国、ポーランド、マレーシア、中国、ロシア、ブラジルに生産拠点を保有している。今回の買収で凸版印刷は、両社の生産能力と販売ネットワークを組み合わせて地産地消体制を推進するほか、相互のデザイン開発力や印刷技術などを活用してソリューション力の向上につなげる。また、生産ノウハウの共有により生産性の向上および生産能力の最大化を図る。

【INTERPRINTの概要】▽事業：建装材用化粧シート製造・販売▽主要製造拠点：独、米国、ポーランド、マレーシア、中国、ロシア（2）、ブラジル▽主要営業拠点：イタリア・スペイン・南アフリカ・トルコ▽売上高：3.5億ユーロ （約438億円）

 

株式会社　紙業タイムス社　「Future7/22号」より