大王製紙は、中国子会社の大王（南通）生活用品有限公司が製造・販売するベビー用紙おむつ『GOO.N』シリーズ商品を模倣した中国の製造・販売業者4社を相手取り、商標権侵害・不正競争防止法違反の疑いで民事訴訟を起こしていたが、このほど大王の主要な訴訟請求が認められ、勝訴した。また同事例は、上海市徐匯区人民法院で、「世界知的財産の日（4月26日）」に合わせて裁判所の典型事例に選ばれた。
　訴訟の対象となったのは、大王（南通）生活用品有限公司が2020年3月に販売を開始した『GOO.N光の羽〓金』。同社が模倣品を発見したのは21年9月で、製造・販売していたのは福建省百某衛生用品有限会社。同社は大王の複数の登録商標を模倣していたため、大王サイドは「生活者に混同を生じさせた」として警告および行政摘発を行ったが、百某衛生用品は模倣品の製造販売を止めなかったため、23年2月、大王は同社を含む製造・販売業者4社を提訴した。そして24年4月18日、上海市徐匯区人民法院で大王の主要な訴訟請求が認められ、被告に対して商標権侵害・不正競争行為の停止、新聞紙『中国市場監督報』への謝罪声明の掲載と155万元（約3,300万円）の賠償金を支払う判決が下された。被告が上訴する可能性はあるが、大王製紙は「知的財産を保護するため、今後も毅然とした態度で対応する」考えを示している。
 

株式会社　紙業タイムス社　「Future6/10号」より