王子ホールディングスはこのほど、2020年に策定した「環境ビジョン2050」の新たなマイルストーンとして、40年度を目標達成年度とする「環境行動目標2040」を策定した。
　王子グループは現在、30年度目標の達成に向けて、「温室効果ガス排出量の削減」「持続可能な森林経営」「生物多様性保全」「資源循環」などに取り組んでいる。環境行動目標2040では、これまで実施してきたカーボンニュートラル、ネイチャーポジティブ、サーキュラーエコノミーに向けた取組みを発展させ、国際社会への貢献を高めるとともに、これらの基礎となるステークホルダーエンゲージメントを推進する。概要は次の通り。
■気候変動問題への対応…▽40年度の温室効果ガス排出量（スコープ1、2の合計）を、森林のCO2吸収・固定量で相殺▽非化石エネルギーの利用拡大により、温室効果ガス排出量を18年度比で50％削減▽保有・管理する森林で18年度排出量の50％相当のCO2を吸収・固定▽スコープ3排出量を削減
■ネイチャーポジティブの推進…▽森林破壊・転換ゼロを継続▽18～40年度累計で天然林5,000haを再生、郷土樹種90万本を植栽、緑の回廊6,000haを設置（緑の回廊とは、土地所有者と連携して天然林の間の荒廃地の植生回復を促し、野生動物が行き来できるように、フェンスで保護した土地）
■サーキュラーエコノミーの推進と汚染物質削減…▽廃棄物の有効利用率を国内99％以上、海外95％以上に維持・向上▽取水量を18年度比で10％削減▽再生可能な森林資源を用いた化石資源代替素材の製造技術の確立・商用化▽排水汚濁負荷、大気汚染負荷の削減
■ステークホルダーエンゲージメント…▽サプライヤーの人権・環境デューデリジェンスを年1回実施