三菱製紙は、白河事業所内の100％子会社、三菱製紙エンジニアリング白河事業所で製造していた耐熱プレスボード製品に関し、検査測定データの改ざんおよび検査の一部不実施の事実が判明したため、外部専門家（弁護士4名）で構成される特別調査委員会を設置し、全容解明、原因分析および再発防止策の提言を委嘱した。また委嘱に当たっては、グループ内各製造拠点の類似事案の有無も調査対象とした。
　なお、同社は顧客への説明を順次進めているが、現時点では、耐熱プレスボードを組み込んだ変圧器などに機能面でのトラブルは発生していない模様。同社では、「耐熱性・絶縁強度は必要な水準を満たしていると考えられることから、変圧器などに組み込むに当たって、仕様としては問題ないと認識している」とコメントしている。
＜判明した不適切事案の概要＞
①発見の端緒…構造改革の一環として、耐熱プレスボードの製造を子会社白河事業所から三菱製紙の高砂工場へ移管する作業を進めていたところ、過去に子会社白河事業所で製造した耐熱プレスボード製品に関し、測定データの改ざんなどが判明。
②不適切行為が確認された製品…耐熱プレスボード製品（Aボード、GAボード、RAボードおよびこれらを加工した成型品）。
③判明した不適切行為の概要…▽出荷検査の一部の検査項目につき、検査で得られた実際の数値とは異なる数値を検査成績書に記載▽金属探知機による全数検査が抜き取り検査となっていた。
 

株式会社　紙業タイムス社　「Future5/27号」より